自然と寄り添う暮らし

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あののぉ vol.37 2016 春

あののぉ vol.37 2016 春

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〔お宅訪問〕太陽と暮らす OMと自然素材の家


健康的な暮らしの中に快適な暮らしがある。
かけがえのない一瞬一瞬を
楽しく健やかに暮らすために考えた家。

心地よい「家時間」が流れる。
そこには自然に寄り添った暮らしを支える
OMソーラーの存在もあった。

空気、熱、手ざわり、香り・・・。
「見えないもの」をデザインした家を
訪れました。


ご夫婦と娘さん3人が暮らすY邸が、太陽をいっぱいに浴びて佇んでいます。「これはブルーベリー!」「この木は黄色い花が咲くよ」と娘さんたちに誘われ庭に出ると、縁側ごしに家族みんなが集まるお気に入りのリビングがみえます。「長く付き合うものだから、家族に優しい住まいを考えました。」とご主人。自然素材で作られた住まいは、白と木目で統一された内装で、四季の移ろいを取り入れる心地よい空間になっています。

◇家族に寄り添う家
室内は心地良いカタチを考え、あえて天井高を抑えました。娘さん3人が一緒に並んで使える造り付けのデスクとダイニングテーブルは高さを揃え、目線の先には日々の風景を切り取る窓があります。吹き抜けの大きな窓は、夏の日差しは深い軒に掛けたすだれを通して和らげ、冬の日差しはたっぷりと取り込み、リビングに明るい陽だまりをつくります。桧の無垢床や自然素材を使った壁がその光をやさしく広げています。夫婦ともにお料理好きということもあり、L型とアイランド型を組み合わせたキッチンにはシンクが2つ。家族5人で料理することも多く、時には近所の子供たちも一緒になってみんなでお菓子作りをするそうです。階段を中心にぐるりと回れる動線や吹き抜けを通じ、お互いの居場所をなんとなく感じることができ、「キッチンにいても子供たちの声が届くので安心です。静かになったと思ったら3人仲良く眠っていました。」と奥様。心地よくゆるやかにつながる空間が、「優しい住まい」に繋がっているのかもしれません。


◇自然の移ろいと暮らす
採用したOMクワトロソーラーは、暖房・発電・換気・給湯の4つの働きを持ち、太陽の熱と光の両方の恵みを生かして1年中室内環境を整えてくれるシステムです。冷え込む日にエアコンを利用することもありますが、足元からほんのりあたためるOMソーラーの方が体の芯からぬくもりを感じるそうです。夏は窓を開けると自然の風でも十分に涼を感じ、夜は換気機能によって冷めた外気が流れこみます。風や太陽の恩恵を受けるOMソーラーは季節の移り変わりを肌で感じる、人にも地球にもやさしい暮らしを支えています。
庭に揺れるまだ身の丈ほどの木々も太陽の恵みを受け娘さんたちとともに成長し、Yさんご家族の健やかな暮らしに彩りを添えてくれるでしょう。


高松市 Y邸 2014年2月竣工
延床面積/136.33㎡(41.31坪)
構造/木造2階建 OMクワトロソーラー
設計・施工/菅組

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〔森里海から No.37〕両墓制


文・写真 菅 徹夫

今年は瀬戸内国際芸術祭が3年ぶりに開催されていますが、瀬戸内海に浮かぶ島々は芸術祭で展示されるアート以外にもたくさんの魅力を秘めています。それは美しい自然の風景だったり、島独特の文化や伝統に育まれた様々な風習だったりします。都会の人たちが瀬戸の小さな島々にはるばる足を運んでくれるのはアートの魅力もありますが、むしろそうした土地独特の文化やそこに生活する人々の魅力の方が大きいのではないでしょうか。
三豊市詫間町の粟島や志々島、多度津町の高見島や佐柳島に両墓制とよばれる風習があったのを知ったのはつい5~6年前のことです。「両墓制」とは「遺体を埋葬する墓」と「霊魂を祭る墓」・・・そんな二つの墓を作るならわしのことです。遺体を土葬する「埋め墓」は、主に海岸など、人里離れた場所に作られることが多く、時に家型をした小さな小屋で覆われたりと地域によって独特のスタイルをとっています。「詣り墓」は定期的な墓参や先祖供養、盆などに参るための墓です。通常、石塔を建てることが多くそこには遺体や遺骨はありません。


両墓制がなぜ発生したのかは、不明な点が多くはっきりしないようですがウィキペディアによると次のようにあります。「代表的な意見としては、死穢の観念や遺体恐怖から遺体埋葬地を人里離れた場所に作り、人の住む場所の近くや寺院境内に死者供養のための石塔墓地を別に作ったというものがある。現実に、土葬習慣における腐敗した遺体の臭気を避けるため、また昔は医療が発達しておらず死因が殆ど判らないために、ご遺体より伝染病などに感染する確率が非常に高く、さらには都市部では人口が多いため住宅が現代のように密集しており、また長屋暮らしの者には庭はなく、我が家の庭へご遺体を埋めるわけにはいかないのでご遺体は埋め墓へ埋葬するが、埋葬後ご遺体がある程度土へ還れば他者のご遺体もその場所へ埋葬しなければ用地が足りない。しかしそうなれば、我が家のお墓を永久的に保つことは出来ないので、埋葬地を別にしたとも考えられる。」

両墓制は柳田国男など民俗学者の研究対象にもなっていて、民俗学的価値も高いものです。粟島と高見島は瀬戸内国際芸術祭の舞台にもなっています。現代アートを見て歩くのも良いですが、同時にその島独特の伝統文化としての両墓制にも是非触れてみてはいかがでしょうか。

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〔古木里庫商品紹介〕ほうろく


ほうろく(焙烙)とは
800~900度で低温焼成されたうす赤茶のあたたかい色調の日用雑器です。豆やごま、お茶を煎るのに重宝します。香川の郷土料理でおなじみの「しょうゆ豆」は、ほうろくを用いてそら豆を煎り、醤油や砂糖の入ったタレに漬けこんだものです。昔は各家庭で作られていましたが、現在ではそれもほとんどなくなっています。古木里庫で販売している「ほうろく」は鬼瓦職人であり、香川県伝統工芸士の神内俊二さんに焼いていただいています。神内さんならではの「いぶし」バージョンも人気です。
「おもちやパンを焼いてもおいしいよ♪」とのことで、今回はおもちを焼いてみました!


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〔大工の仕事〕


建築現場では土台を据え付け後、柱や梁を組立て、最後は一番高いところにある棟木を取り付けます。この上棟(あるいは棟上げ)までの作業を「建て方」といいます。


建て方に使われる木材は、現場搬入前に大工の手により切組加工されます。切組は失敗が許されないので緊張感がただよいます。

①木材に尺杖をあてて墨で印をつけます。(墨付け)②楣や板場差の蟻掛け等と呼ばれる仕口の加工を行います。③建て方の際建物のどこの部分かを示す「漢数字」と「いろは」で2方向の番付けを行います。


尺杖(しゃくづえ)
木材に墨付けをする際に使う、その建物専用の定規で、1本の角材の4面に、建て方に関わる柱や桁・梁などの木材の加工情報が詰まっています。

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〔香川の保存木〕川江家のツバキ

●保存木とは?
何百年とその地で生き続けている木は、それだけで存在感があり、地域のシンボルとして風景に欠かせない存在となっています。そんな貴重な樹木を指定し、所有者や地域の人々の協力を得ながら大切に保存しているのが「保存木」です。


三豊市では現在22ヶ所に保存木が指定されています(2016年3月)。中でもこの時期見ごろを迎えるのが詫間町生里にある「川江家のツバキ」です。樹齢は300年と言われています。立て札に「この椿は樹幹が真っすぐに伸び強度の剪定がないため、樹勢は極めて旺盛である。」と書かれている通り、葉っぱが元気良く茂っています。開花時期には木にいっぱいの椿がみられます。


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〔せとうち暮らし掲載情報〕「船大工探訪」

島と陸をつなぐ雑誌「せとうち暮らし」は読むほどに島を近くに感じられる本です。その中の「船大工探訪」というコーナーに菅組の記事広告を連載させていただいています。内容は、家大工が船大工に会いに行くというシリーズ。そこには大工ならではの共通点があったり、海と陸の違いがあったり…。


第4回目は、現役でミカンを運搬している木造の「みかん船」とその船長・濱松さんを、みかん船をつくった船大工を父にもつ加瀬野さんと共に訪ねました。50年以上働いている木造船ですが、歴代の船長さんの手入れのおかげで一滴の水漏れもなく毎日たくさんのミカンを運んでいます。さて、船大工と家大工の目にはどのような世界がみえているのでしょうか。

【バックナンバー】

・15号 第1回/広島県・鞆の浦「木造漁船をつくる」碇進さん
・16号 第2回/岡山県・倉敷市「機帆船をつくる」加瀬野久志さん
・17号 第3回/愛媛県・伯方島「木造船一筋に、65年」渡辺忠一さん
・18号 第4回/(2016年4月上旬発売)

「せとうち暮らし」
発行:株式会社 瀬戸内人
発売:空海舎
価格:917円(税抜)


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