自然と寄り添う暮らし

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あののぉ vol.18 2011 夏

あののぉ vol.18 2011 夏

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〔お宅訪問〕テラスのある暮らし


白い箱のような家。
中へ入ると
飛び込んでくるのが、
新緑の庭と、
大きな白いテラス。
一面に広がる
抜けるような開放感は
暮らしの広がりそのもの!
思いを形にする楽しみ、
その楽しみ方こそ、
家づくりの醍醐味だと
気付かせてくれる、
そんなMさんのお宅を訪ねました。


暮らしに必要なこと
通りから見ると、一見白い箱にも見える建物は、一旦室内へ入ると、壁一面の開口から光があふれる、外へ開かれた家でした。目に入るのは、芝生や新緑の緑と、大きな白いテラス。テラスと言うよりは、ガラス越しに部屋がもうひとつあるような、そんな気持ちの良い開放感があります。室内からの爽やかな眺めはもちろん、外で本を読んだりバーベキューをしたり、この庭は暮らしの場として自由に使いこなされていました。
伺うと、広い庭やテラスは始めから計画されていませんでした。敷地が決まり、計画を始めた際、まず家の面積を抑えることを考えられたそうです。あえて間口を狭くし、そこに生まれた敷地の余白を、庭として生かしておられます。「暮らしに必要な部屋はさほど多くなく、ほどよい広さがあればいい。大切なのは質や仕様だと思った」とご主人。その言葉を反映するように、家と敷地のバランスは絶妙です。リビングは、内外の一体感を大切に、床とテラス、天井と開口の高さを同じ高さに仕上げており、その細やかな気配りが、空間の質をぐんと上げ、無駄のないすっきりとした印象を与えていました。


家づくりの「軸」
キッチンとダイニングに段差を設けたリビングは、包まれるような安心感があり、自然と家族が集まる場所です。この段差がもたらす目線の変化、場の変化は、暮らしの広がりを生む工夫の一つといえます。段差の踏面にはステンレスを使用し、リビングの床はタイル、壁は凹凸のある立体的なタイルを使用。夜は間接照明によって影が落ち、違った表情を見せます。素材、照明、家具にいたるまで、家づくりのプロセスを一つ一つ経たこの家は、Mさんのぶれない「軸」によって調和しているのだと感じます。家づくりは楽しいと話すMさんは楽しみ方を知っている人です。勉強熱心であることはもちろん、良いモノをつくりたいと思う気持ちが、つくり手の思いと重なって、打合せの話はよく弾んだそうです。「話し合えることが大切だった」とご主人。
キッチンからの景色は奥様の特権!少しずつ伸びる庭の木々が季節を感じさせるように、ここから見る毎日がこの家の、家族だけの時間なのだと感じます。スマートに楽しいこと、好きなことが喜びになる家は、生き生きとしていてとても魅力的だと思いました。

観音寺市 M邸 2008年6月竣工
延床面積/99.02㎡(30.00坪)
構造/木造2階建 在来工法
設計・施工/菅組

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〔森里海から No.18〕外来種なるもの



文・写真 菅 徹夫

2005年に施行された「外来生物法」や、昨年名古屋で開催された「生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)」などで「外来種(がいらいしゅ)」という言葉も、徐々に馴染みのあるものになってきたように思います。外来種とは、他地域から人為的に持ち込まれた生物種、特に野生化して世代交代を繰り返すようになり、生態系に定着した動植物をいいます。一般的には日本以外の国から入ってきた動植物を「外来種」、元々日本に生息しているものを「在来種」として区別しています。
代表的な外来種としては「ブラックバス」や「ブルーギル」などの魚の他、植物では「セイタカアワダチソウ」などが有名です。動物も植物も「外来種」は日本の生態系に深刻なダメージを与えています。在来種の絶滅問題をはじめ生物多様性を減少させる大きな要因となっています。ブラックバスが在来種の魚などを食い荒らすことはよく知られていますが、植物でも外来種と在来種が共存できることはほとんど無く、外来種植物が繁殖することで在来種の植物は、その生息環境を失い減少、絶滅などの危機に貧することになります。

外来種の中でもとくに生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの、又は及ぼすおそれがあるものは「外来生物法」で「特定外来生物」として指定され、その扱い方に法律で規制がかけられました。外来種は「生き物」ではありますが、人間の行きすぎた開発行為と同じように、あるいはそれ以上に自然破壊に繋がっています。私自身もほんの数年前までは「外来種とはいえ生き物なのだから、むやみにその命を奪うべきではない」というように考えていましたが、大きな間違いでした。外来種を放置することによって、どれだけ多くの在来種生物が犠牲になっているかを考えると外来種(特に侵略的外来種)はいかなる場合も「駆除対象」と考えるべきだと思い至りました。正しい日本の自然観や生物多様性を守り育てることは、私たち自身の命の問題としてとても大切な事だと思います。ブラックバスが泳ぐため池やセイダカアワダチソウが咲き乱れる秋の光景は、正しい日本の自然観ではありません。今、私たちは失いつつある日本の自然を取り戻さなければならないのではないでしょうか。
身近な動植物にも外来種はけっこうたくさんあります。以下にすこし列挙してみますので、これを機会に是非記憶にとどめておいてください。

◇動物◇
ブラックバス(オオクチバス・コクチバス)、ブルーギル、アライグマ、ハクビシン、ドバト、ミドリガメ(ミシシッピーアカミミガメ)、ウシガエル、ニジマス、ライギョ、アメリカザリガニ・・・

◇植物◇
セイタカアワダチソウ、ヒメムカシヨモギ、オオアレチノギク、セイヨウタンポポ、シロツメグサ、ヒメジョオン、ホテイアオイ、モウソウチク、イチョウ、キンモクセイ、ハナミズキ、コスモス・・・



いかがでしょうか。このなかでも意外に思う外来種があったのではないでしょうか?上記は外来種のごく一部です。いまでは数え切れないほどの外来種生物が日本に入り込んでいます。それによって在来種生物の生存が危ぶまれています。外来種を駆除することは日本の自然保護にとって非常に重要なことなのです。

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〔工事現場紹介〕大将軍神社拝殿新築工事



仁尾町の家の浦に鎮座する「大将軍神社」は、地元の方に愛されてきた神社の一つです。拝殿が老杯化のため建て替えらることになり、今年の秋祭りに向けて工事が進められています。




◇桔木(はねぎ)のしくみ
桔木は神社やお寺などでよく用いられ、屋根の中心から放射状に組まれます。桁(けた)から外の軒先の屋根をテコの原理で、はね上げるようにして支える重要な構造材の一つです。

・ポイントA
桔木は瓦の重みを計算して組み立てる!屋根が下がってきても、何度でも持ち上げることができる。

・ポイントB
テコの原理。桁からの出の長さ(①)より、桁から内側の長さ(②)が長くなるよう桔木押さえで調整する。

・ポイントC
太い丸太のまま用いることで大きな荷重を負担する。(今回は26本の丸太を使用)

伝統的な工法や技術を用い、慎重に作業を行っています。使用する木材の特徴や性質を見極め、計算し、そして1本1本に大工魂を注ぎます。
設計・施工:菅組

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〔お知らせ〕古木里庫ギャラリー



古木里庫が誕生して早2年!2009年の5月にオープンし、翌年の3月には雑貨ショップ、今年の2月には薪ストーブの代理店として、ショールームがオープンしました。デッキ横のビオトープや、外壁を覆うツタ達もぐんぐん成長しています。月日を経た古材の魅力を伝えたい、生かしたいという思いからスタートした古木里庫。様々なイベントを通じてたくさんの方にお越しいただきました。つながる人の輪を大切に、これからもパワーアップしていきたいと思いますので、ぜひ遊びにいらしてください!

古木里庫のギャラリースペースは、展示会やイベント会場、集会などにご利用いただけます。お気軽にお問い合わせください♪
夏至の恒例イベント「100万人のキャンドルナイト」をはじめ、様々なイベントも開催しています。



◇古木里庫ギャラリー
1F:72㎡、2F:36㎡ OPEN:10:00~17:00
1時間:500円 三豊市仁尾町仁尾乙264 TEL:0875-82-3837

◇お申込み・お問合せ
(株)菅 組 総務部  TEL:0875-82-2441
mail:info@suga-ac.co.jp

● ご利用をお考えの方は所定の書類からお申し込みください。
● 時間外・休館日のご利用、駐車スペースの拡大、長期ご利用の場合はご相談ください。
● 物販行為を主たる目的とするご利用はお控えください。

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〔商品紹介〕BEHAウェイト誕生ものがたり



あるイベントで手にとった木の棒。持ってみるとズッシリ重い。「これはいったい何だろう?ぜんぶ木?」とながめていたら、「それは木の文鎮です。」と声をかけてくださったのがwood works 五坐の奥田芳樹さんでした。奥田さんは牟礼町でオリジナルの椅子やテーブルなどの家具製作をされている傍ら、さまざまな木の小物づくりにも力を入れられています。こちらの木の文鎮、中には重りが仕込まれていたのでした。(ナルホド!)
そのイベントがご縁でエコショップにお持ちくださったかわいい木の家。「文鎮ハウス」。カードホルダーとしてもお使いいただけます。こちらを見た瞬間「これはきっと・・・shopmasterなら・・・」ともちかけて完成したのが、ペーパーウェイトならぬ「BEHAウェイト」なのでした!
*ベーハ小屋を愛するshopmasterデザイン:BEHAウェイト¥3,150



photo:左→木の文鎮¥1,050/本  右→文鎮ハウス¥2,100~



◇ベーハ小屋とは?
「煙草乾燥小屋」のことで葉煙草のことを通称「米葉(米国の葉)」と呼んでいたことから「ベーハ小屋」と呼ばれています。全国的に建てられましたが、香川には特に多く残っており、讃岐の風景を形づくっています。「讃岐舎(さぬきのいえ)」のモデルでもあります。



制作会社:wood works 五坐(ござ)
奥田芳樹
高松市牟礼町大町473-4
TEL:087-845-3481

お問い合わせ:古木里庫(こきりこ) TEL 0875-82-3837 

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〔イベントレポート〕ビオトープ ワークショップレポート



去る4月24日(日)に、高松市牟礼町でビオトープワークショップを開催しました!草や木や虫、そしてお魚たち。それぞれの命が宿るビオトープ。そんな生き物の憩いの場所を、楽しく学びながらつくりました!
作業を進めていく中で、注意点やポイントなどを確認し、約3m×8mのビオトープが完成しました!人工的な飼育ではなく、多くの野生生物たちが自然に繁殖できる空間を日常生活の近くに取り戻したい。そんな願いが込められています。ビオトープネットワークが正しく広がっていくことで、地球の生態系を考えるきっかけになればと思います。




ご協力くださいましたB様、お越しいただいた皆様、又ビオトープワークショップにご参加いただいた皆様、ありがとうございました!



◇ビオトープ に関するご相談について
ビオトープのことをもっと知りたい、作ってみたいという方、資材、ビオトープの植物・生物のことを知りたいという方など、ビオトープに関するご質問等がございましたら、OMエコショップすがまでお気軽にお問い合わせください。
今回イベントで使用した「ビオトープ・ワークショップ ハンドブック」をご希望の方もお問い合わせください!

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〔お知らせ〕緑のカーテン



アサガオやヘチマのような、ツル性の植物で作る「緑のカーテン」が、菅組本社にも登場しました!夏の暑い日に、葉っぱの間をすり抜けてくる涼しい風は、自然の力そのもの!これからの成長が楽しみです♪
◇植えたもの◇
きゅうり、ゴーヤ、クズ、山ぶどう、野ぶどう、アケビ、オカワカメ、朝顔(サヤカ)、夕顔(ムーンフラワー)



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