自然と寄り添う暮らし

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あののぉ vol.17 2011 春

あののぉ vol.17 2011 春

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〔お宅訪問〕薪ストーブの暮らし


素焼きの外壁に、
赤い煙突カバーが印象的な
Mさんのお宅。
庭に植えられた木々が
春を待ちわびていたように
日ごとに花を咲かせる様は、
自然のまま暮らす、
Mさんご家族のようで
やさしい雰囲気にあふれていました。
家を建てられてから3度目の春。
住むほどに「らしさ」が深まる
Mさんのお宅を訪ねました。


薪ストーブのある暮らし
薪ストーブは始めから計画に入っていたわけではないそうです。吹き抜けが欲しいねという話から、暖房方法を考えられ、様々な選択肢の中から薪ストーブを選ばれました。必要な機能として設置された薪ストーブが、その後の暮らしを変えたそうです。ご主人は、休日になると薪の調達に山へ出掛け、帰ってきては薪割りをされています。日曜大工にも目覚め、薪の乾燥には欠かせない薪小屋を自作され、現在2棟目を計画中とのこと。キッチンでは子供たちと一緒にピザ作りが行われます。生地をのばし、好きなトッピングをのせ、炎の中に入れます。焼き上がったピザを姉弟で互いに切った後は、おいしいご飯の時間です。大きなテーブルを囲み、楽しそうに食べる子供の笑顔を見ると、純粋に嬉しさがこみ上げます。理想的な暮らしという言葉では現しきれない心の豊かさが広がっていました。
発見の一つに、「炎」を使うと動物的な感覚が蘇る。のだそうです。家族が集う食卓に、炎を使う薪ストーブがあることは、特別なようでいて、人間本来の自然な営みなのかもしれません。


普段着の家
例えば日曜日の朝、のんびりと過ごすような、そんな普段着の家がいいと奥様。家事をされる後ろ姿と家が、同じ呼吸をしているように感じました。家の計画は設計士でもある奥様がされました。今の自分に必要なものや、暮らし方を考えて家づくりができたらいいな…という気持ちを大切にされたそうです。自分を素直に見つめ直すように、住まい手さんがその人らしく暮らせることが、「心地いい家」になっていくのかもしれません。飾り立てず、身体にやさしい素材でできたMさんのお宅は、澄んだ心地よさに包まれていました。


記憶を刻む家
家を建てようと決意するまでのお話しがとても興味深いものでした。家は「記憶をとどめる箱」でもあります。子供が生まれ家族が増えるにあたり、戸建て住宅を意識するようになったMさん。このまま賃貸でも不自由はないけれど、これからずっと子供たちと過ごす家を想像した時、家を建てようと決意されたそうです。何気ない日常の出来事が、家族みんなの思い出として、かけがえのない宝物になります。庭で植栽を植えたり、薪を割ったり、ピザを焼いたり、小鳥にえさをあげたり…その一つ一つが自由で温かみがあり、そして愛情にあふれています。ご家族と同じ歩幅で歩む、おおらかで深みのある家でした。

仲多度郡まんのう町 M邸 2008年6月竣工
延床面積/126.00(38.18坪)
構造/木造2階建 在来工法
施工/菅組

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〔森里海から No.17〕永井清水(ながいのしみず)改修工事に想う



文・写真 菅 徹夫

善通寺市には80を超える出水(ですい)があると言われています。なかでも永井清水は昔ながらの美しい景色をとどめた素晴らしい出水でした。「ここの出水は百数十坪あるといわれ、下流一帯の多くの田に水を送っているということです。その昔は、丸亀京極藩のお殿様が休憩するために永榎亭(えいかてい)と名付けられた、俗に「お茶屋」と呼ばれる休憩所があり、ところてんの名所であったともいわれています。・・中略・・市内には永井出水など大きくて立派な出水が多く、いつも水がこんこんと湧き出ていた。その周辺には老いも若きも集い、いろいろな話がはずみ、人々の心もなごみ、世代の交流もさかんだった。そこでは思わぬ知恵がわき、地域の人々は活気にあふれていたように思う。水源は人の心がなごむところだ。今の岸をセメントで固めるような管理では、人が集う場所にはほど遠い。我々は水辺を大切にした施策をとりたいと思う。」(<みちくさ遍路2001善通寺88カ所めぐり>より)

photo:ここで洗濯物をしたり、世間話に花を咲かせたりと地域の人々の憩いの場所となっていた。



その永井清水が最近土木工事で改修されたのです。古い手積みの石垣、石の階段、洗い場、多様な植生が様々な環境を形成し、生物多様性豊かなビオトープとして道行く人々の心を癒してくれていた美しい光景が取り返しのつかないものへと変貌してしまったのです。天然石を使用してはいるものの、石垣の天端や側壁はコンクリートで固められ、味気ない手摺が巡らされる。土の部分がないために植物が一切なく、陰影のない単一な表情はまるで「沈黙の春」のようです。この変貌ぶりを見て、こざっぱりとしてきれいになったと思う人はいないでしょう。いや、もしかしてほんとうにそう思う人がいて、こういう設計をするのでしょうか?私にはちょっと考えられません。改修された永井清水には生物が生きられるのでしょうか?多様な生物が生息できなければ、水は汚れやがて異臭を放つかも知れません。出水の改修工事はこれまでに、ここだけではなく何カ所も同じような工事が行われています。そのたび心ある人は出水の自然度が失われていくことを嘆いています。私たちはとても大切な資産を失っているのです。水辺を大切にするということの本当の意味を真剣に考えなければなりません。こうしたものを大切に想う心、本当の意味での豊かな社会の形成には欠かせない感性だとあらためて思うのです・・・。


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〔工事現場紹介〕(有)バイス(宇多津クリニック・宇多津浜クリニック)有料老人ホーム・通所介護施設新築工事



都市開発が進む宇多津町は、高齢者が安心して利用できる施設が少ないのが現状です。㈲バイスは、従来行っている在宅介護・看護支援を充実させ、地域住民の医療に貢献されています。宇多津クリニック・宇多津浜クリニックと連携を図り、高齢者の方が安心・安全に暮らせる新しい介護施設を計画されました。昨年の10月からスタートした工事は、5月完成、7月オープン予定です。



◇建築材料
利用者の方に、安心して過ごしていただきたいという想いは、素材選びにも表れてます。

■ALC(軽量気泡コンクリート)・・・外壁材に使用
 ・耐久性が強く、有毒ガスを出さない
 ・コンクリートの約10倍の断熱性
 ・防音サッシ以上に遮音性が高い
 ・地震に強い

■オリジナル木製建具
 室内の建具は、全て木製のオリジナル!木の温もりを感じることができます。



◇施設の内容
 ・有料老人ホーム
 ・デイサービスセンター
 ・訪問介護センター
 ・訪問看護ステーション
 ・居宅介護支援事業所

道を通る人からも、完成を待ちわびる声を聞くそうです。期待をよせる方々の思いを胸に、日々念入りな打合せを重ね作業を進めています。

住所:香川県綾歌郡宇多津町浜5番丁66-3
設計:島田治男建築設計事務所
施工:菅組

現場監督:現場監督:(右から)佐野・佐倉

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〔お店紹介〕豆吉本舗 こんぴら店



こんぴらさんこと金刀比羅宮の参道に、昨年元旦にオープンした「豆吉本舗」。他の土産屋とは雰囲気の異なるこの建物は、石段の上がり口に位置し、参道を行き交う人で賑わっています。
「豆吉本舗」は、豆菓子の専門店で全国に18店舗のフランチャイズ店があります。豆菓子の種類は80を超え、代表的な落花生を生地でコーティングした豆菓子の他、豆そのものの味を楽しむ商品など、色とりどりの商品が、規律よくディスプレイされています。空豆、コーン、大豆に納豆、カシューナッツやアーモンドなどなど、中にはコーヒー豆を使ったものや、黒豆茶もあります!一番人気は「梅干豆」。店員さんのおすすめは「明太子さん」。味付けの豊富さもさることながら、「海老ちゃん」などネーミングもとてもユーモアです。




店舗横のレンガ倉庫のような路地を抜けると、カフェがあります。吹き抜けのある、明るく開放的なカフェは、参道から奥まっているため、人通りを気にせずゆっくりと過ごすことができます。砕いたナッツとコーヒーをかけたオリジナルのソフトクリームや「倉敷珈琲館」の豆を使用したコーヒーも頂けます。

・豆吉本舗こんぴら店
住所:仲多度郡琴平町川西909-1
営業時間 お店・・・10:00~17:00  カフェ・・・11:00~16:00
TEL:0877-73-4717
定休日:不定休

設計/グッドデザインスタジオ 施工/菅組

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〔商品紹介〕和うるし工房 あい 「フリーカップ」



善通寺市で天然の国産漆100%を使用した作品を作られている「和うるし工房 あい」さん。「漆器」といっても、現在流通している大半がウレタン塗装製。天然漆使用の場合でも、そのほとんどが中国産で、国産漆の流通は天然漆の中でも、わずか1~2%といわれています。
「和うるし工房 あい」さんの作品は、そんな貴重な国産漆の中でも特に品質のよい漆を木地固めから上塗りまでの全工程に、溶剤を用いることなく贅沢に使用しています。




シンプルで使いやすく、和でも洋の食卓にも似合う、フリーカップは、軽くて丈夫。使い込むほどに艶がでる、一生もののうつわです。

◇和うるし工房あい
工房の松本和明さん、宮崎佐和子さんご夫婦は、純粋な国産漆の美しい表情を、より多くの方々に伝え親しんで頂こうと、器を始めとする様々な作品を製作されています。和うるしへの愛情がいっぱいこもった「和うるしの器」を是非どうぞ。ご贈答にも最適です。
住所:香川県善通寺市中村町697-1 TEL 0877-63-3930

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〔お知らせ〕薪ストーブショールーム  グランビル四国 (古木里庫)



古木里庫に、薪ストーブショールームがオープンしました。四国初上陸のエッセのクッキングストーブを始め、ハンプトン、ピキャンなど、こだわりの薪ストーブが揃います。薪ストーブは、五感で感じていだくのが一番。薪のパチパチとはぜる音、ゆらゆらとオーロラのようにゆらめく炎、香ばしい木の香り・・・薪ストーブは、私たちの心と体をゆっくり癒してくれます。「火のある暮らしを楽しむ」特別な時間を体感しにいらしてください。



薪ストーブショールームOPENイベントを開催しました!
2月26日(土)、27日(日)に、ショールームオープンイベントを開催しました。各ストーブの違いや効果を熱心に聞いておられる方が多く、薪ストーブに対する関心の高さをうかがうことができました。薪ストーブで作ったピザやキッシュなども、召し上がっていただきました。お越しくださった皆さま、有難うございました。



お問い合わせ:古木里庫(こきりこ) 
       三豊市仁尾町仁尾乙264    TEL 0875-82-3837 

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〔お知らせ〕仁尾の風景・手作り石鹸教室



菅組ホームページでは毎月、仁尾町の風景を写真を通しご紹介しています。 山と海に囲まれた自然豊かな仁尾町は、古い町並みが残る歴史ある町です。 仁尾町ご出身の塩田さんが切り取る、四季折々に移りゆく「仁尾の風景」をぜひご覧ください。



本格的な高級手作り石鹸をつくろう!
日時:2011年4月3日(日)
   10:00-15:00
会場:古木里庫(こきりこ) 予約制

手間と時間をかける「コールドプロセス」で作ります。オリーブ油やパーム油など100%植物性の油を主に使用します。添加物を入れていないのでアトピーや敏感肌の方にもお勧めです。肌にも、環境にも優しい石鹸作りを通し、丁寧な生活を考えてみませんか?


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