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仁尾の路地裏の焼杉

ああ、まだあったんだ。
この路地を歩くのは久しぶりで、
焼杉の外壁が残っていたことに、少し驚いてしまった。
「もう何歳になったかな。ワシよりうーんと年上だ」。
右手でそっと杉板をなぞりながら、じいちゃんが言った。
子どもの頃は、焼けた杉板がなぜ外壁に使われているのか、
その理由も知らず、ただ真っ黒に汚れていると思っていた。
でも、今ならわかる。
人が歳を重ね、一本一本の皺に人生を刻むように、
焼杉もその表面に歴史を刻んできたのだということが。
ふと見ると、じいちゃんの指先が少しだけ黒くなっている。
その手を見て思った。
じいちゃん、その皺。かっこいいよ。


仁尾の路地裏の焼杉

瀬戸内海沿岸で多く見られるという焼杉。
杉板の表面を焦がし、炭化させることで、耐火性、耐久性を持たせたという。
長い年月を経て、移り変わる姿もまた美しい日本ならではの伝統の技。

(出典:ShopMasterのひとりごと
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