自然と寄り添う暮らし

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あののぉ vol.34 2015 夏

あののぉ vol.34 2015 夏

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〔お宅訪問〕内と外が一体となった暮らし


手触りの良いもの、心地いいもの
そんな素材に包まれて暮らす。

「こんにちわぁ~!!」っと
元気よくデッキから入ってくるのは
息子さんのお友達。
内と外が一体となり、
みんなの笑い声が響き渡ります。
デッキで街と家族がゆるやかに
つながります。


宇多津町のとある住宅地。周りの田畑は春の収穫を終え、夏の支度を進めています。そんな風景に囲まれた家々の一角に子供たちの声が集まっています。家族四人のなにげない日常を切り取った風景がそこにありました。

家づくりは、設計士との出会いからはじまりました。息子さん二人の成長を機に家づくりを決めたMさん夫妻。いろいろな見学会を訪ねたり、参考作品をみて勉強したりしているなか、当社の設計担当が持ってきた写真が、まさにMさんの一番お気に入りのお宅でした。「まさか一致するなんて、とびっくりしました。でも自分のイメージするものを理解してくれたこの方に家をお任せしようと思いました。いくつか希望は伝えましたが、細かな色や材質など提案していただいた案は理想の家そのものでした。」


◇心地よい暮らし
一階奥につくられた畳スペースから無垢床材のリビング、その先のデッキへとつながる段差のない空間は、部屋と部屋、内と外の境界がゆるやかなことですべてがひとつながりとなり、心地よい風もとどまることなく吹き抜けます。キッチンと一緒になったリビングは日用品がすっきりと収まっており、目線から外れるように配された冷蔵庫やカウンターに隠された戸棚など設計の工夫の他、普段から適材適所に片付ける事を心掛けている奥様の気配りがみえます。息子さん二人の洋服も手の届くところにしまい、自分で出し入れができるそうです。
広いデッキはご主人の希望でした。はき出し窓を戸袋にしまいきることで境界がなくなり、部屋の続きとしてデッキを使うことができます。また、深い軒のおかげで雨の日も窓を開放し、雨の匂いや音を楽しみながらくつろげます。思い描いていた陽だまりの下での読書は至福の時。近づいては遠ざかる鳥の声や、近くに住む子供たちの遊ぶ声が、ゆるやかに流れる時間をさらに満ち足りたものにしてくれます。ご近所には年の近いお子さんが多く住み、通りぐるみで仲が良いそうです。お友だちも心地の良いM邸が大好き。休みの日になるとデッキから顔をのぞかせ、自然と人が集います。以前のアパート暮らしでは考えられないほど家で過ごす時間が増えたといいます。


◇まちをつなげる住まい
家に招いたり遊びに行ったり、通りを行く人に声を掛け合ったり。庭先からつながる和がまちをつくり、この程よい距離感が安心できる空間を生んでいます。特別なことのないありふれた日常をおくるM邸が、本当の暮らしの大切さを教えてくれます。


綾歌郡 M邸 2013年4月竣工
延床面積/130.92㎡(39.67坪)
構造/木造2階建
設計・施工/菅組

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〔森里海から No.34〕カワドと水舟


a.せぎ板で用水路の水をせき止めたところ。 b.せぎ板で水位を上げて洗い物をする。 c.共同カワド。地域のコミュニティの場でもある。 d.郡上八幡のカワドや水舟は今でも現役で使用されている。使われることが文化の継承には最も優れている。


文・写真 菅 徹夫

郡上踊りや郡上鮎で知られる岐阜県の郡上八幡。ここには市内を流れる長良川やその支流の吉田川の他、豊富な湧水を利用した伝統的水利用形態が今でも残っています。その一つが川や用水路を洗い場として利用する「カワド」と呼ばれる水辺空間です。カワドとは用水路を「せぎ板」と呼ばれる板で流れをせき止め、水位を上げて洗いものをする場です。昔からの習慣が今でも残っていて、地域の共同使用のカワドには今でも地域の主婦達が洗い物をするために集まり、自然に地域コミュニティの場にもなっています。上流のカワドでは魚介類、野菜などの食物を洗ったり、食器洗いにも利用されているようです。夏のカワドにはビールなどの飲み物、スイカ、トマトなども冷やされています。昔からの水利用の知恵が、今でも息づいていて季節の風物詩としての光景をつくっているのですね。
もう一つの郡上八幡特有の伝統的水利用システムが「水舟」です。町を歩いていると、時折見られる木や石で作られた大きな水槽。湧水を引き込んだ二槽または三槽からなる水槽のうち、最初の水槽が飲み水や食べ物を洗うために使われ、次の水槽は汚れた食器などの洗浄に使われます。残飯はそのまま下の池に流れ、飼われている鯉など魚のエサとなり、水は自然に浄化されて川に流れこむという仕組み。水を大切に有効に使う先人の知恵ですね。そしてそれは水利用の機能としてだけではなく、水舟という人が作った制作物が街の点景として景観をつくっていることも見逃せない重要なことだと思います。生活に密着した「暮らしの風景」が地域の本物の景色を映し出すのではないでしょうか。


「カワド」や「水舟」が担ってきた機能性という側面は、もしかしたら今では必要不可欠のものではなくなってきているのかもしれません。そのような状況下でこのような水利用の文化を継承していくということの難しさを改めて感じます。これはカワドや水舟に限ったことではありませんが、単に保存・継承という以前に、その場に残していく必然性のようなものがないと、生き生きとした魅力的なものとしての継承は難しいような気がします。しかしながら生きた形で先人の知恵を後世に継承していくことは、我々世代の責任だと痛切に感じる今日この頃なのです・・・。  

※郡上八幡の水事情については下記書物に詳しい。
「水の恵みを受けるまちづくり(渡部一二著 鹿島出版会)」 「水縁空間 住まい学大系/055(渡部一二他著 住まいの図書館出版局)」

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〔古木里庫だより〕


雑誌「ソトコト」が主催する「ロハスデザイン大賞」コンテストに、古木里庫で販売している「木造校舎の机・椅子」がノミネートされ、5/15(金)から3日間東京新宿御苑展で展示されました。


古木里庫で取り扱っている家具に、新しい種類が仲間入りしました!デザイン性、使い勝手抜群ですよ!


木で作った斧のオブジェ。実は私の手彫り作品なんです。刃の大きさやカタチが異なるノミを使ってコツコツと作りました。大きいものやミニミニサイズのものなど展示しています。古木里庫にお越しの際は、見つけてくださいね♪

古木里庫(こきりこ)
三豊市仁尾町仁尾乙264
TEL 0875-82-3837
10:00-17:00 金曜定休

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〔菅組 鎮守の森〕菅組 鎮守の森の今 ~鎮守の森プロジェクト開始から約5年半~

菅組100周年事業の一環として2009年9月末に実施した植樹祭。570名以上の方に参加していただき約1,140㎡に54種類の苗、5,500本以上を植樹しました。
あれから約5年半。植樹した木々たちは、しっかりと根を張り「菅組 鎮守の森」として日々すくすくと成長しています。


建屋が隠れてしまうほど、大きく成長しました。「混植密植」により、さまざまな種類の木々が自然の恵みをたっぷり受け取っています。

植樹した木には、四季折々のかわいらしい花が咲きます。小鳥や虫たちも、待ってましたと言わんばかりにやってきます。これからも、色とりどりの花たちが私たちを楽しませてくれることでしょう。一部をご紹介します。


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〔ご案内〕第20回 1000000人のキャンドルナイト

古木里庫がお届けする20回目のキャンドルナイトです。古材にゆらめく1000個のキャンドルが生みだす幻想的な空間をお楽しみください。
日時:6月13日(土) 19時~21時
場所:古木里庫

(内容)
・ワークショップ・・・フローティングキャンドル作り *講師  稲崎 小百合  Handmade Candle i-style
・お絵かきコーナー・・・キャンドルホルダー作り

でんきを消して、スローな夜を。
炎のゆらめきをみつめて、電気のない時間を過ごす。やさしい灯りのそばで、大切な人とコーヒータイム。二度とない瞬間を写真にのこす。特別な夜を思い思いにお過ごしください。


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〔せとうち暮らし掲載情報〕「船大工探訪」


木には無限の可能性があります。古木里庫の木の空間に様々な動物たちに生まれ変わった木が集います。
彫刻家 はしもとみおさんのつくる木の動物たちは、まるでそこにそのまま生きているかのようなリアルさと、見たものの心を一瞬で捉えるかわいらしさを兼ね備えた作品です。古木里庫の「木のどうぶつえん」をお楽しみください。

第4回目は、現役でミカンを運搬している木造の「みかん船」とその船長・濱松さんを、みかん船をつくった船大工を父にもつ加瀬野さんと共に訪ねました。50年以上働いている木造船ですが、歴代の船長さんの手入れのおかげで一滴の水漏れもなく毎日たくさんのミカンを運んでいます。さて、船大工と家大工の目にはどのような世界がみえているのでしょうか。


現実そのままのかたちを
自然素材の木でつくる動物彫刻家「はしもとみお」さん。

日本各地で個展を開催中。メディアでも注目され、
昨年はユニクロのCMなどにも出演されました。


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〔仁尾情報〕sea of nio


「仁尾の海」は県内外から多くの人が訪れる瀬戸内海の中でも人気のスポットです。6月ごろは潮干狩り、夏は海水浴が楽しめます。また、「日本の夕陽百選」にも選ばれた海でもあります。
最高の思い出を仁尾の海でつくりませんか?



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