自然と寄り添う暮らし

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あののぉ vol.32 2014 冬

あののぉ vol.32 2014 冬

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〔お宅訪問〕薪ストーブをあじわう


自然豊かなこの土地で、これからも家族みんなが健やかに暮らせるようにと、リフォームしたF邸。
暖かいのはもちろん、美しい炎と、
美味しい料理を生みだす、
理想の薪ストーブと出会ったことで、
暮らしの楽しみがいっぱいになった。

「薪ストーブのある暮らし」を存分に楽しんでいるF邸を訪れました。



F邸のある財田町は、県内でも雪がたくさん降る地域。これは、寒い冬をあたたかく、楽しみながら過ごす家族の物語です。

代々農業を営むF邸は、ご主人が耕す畑や田んぼに囲まれた自然豊かな場所にあります。お宅の一部をリフォームする際、ご主人が長年夢見ていた家づくりを実現させました。ひとつは梁が現しになった天井。天井が高いと子供がのびのび育つと聞いたことがあり、せっかくなら木を多く使いログハウス風にと考えていました。もうひとつは薪ストーブ。小さな頃からかまどや風呂焚きなど、火のある暮らしが身近にあったので、火の力を直接感じられる薪ストーブを選びました。設置場所は、かまどのあった台所を改装した、リビングにつながる屋内土間。あたたかい食事をつくっていた炎は、家族の笑顔を作る炎となり、同じ場所で燃え続けています。



◇火と暮らす
薪づくりはご主人の仕事。畑にあるビニールハウスを活用し、玉切りした丸太や、縦に割ったもの、焚き付け用の木片などが種類ごとに整理されています。雨がかからず、太陽の熱で乾燥も早いので、薪の保管に適した場所です。乾燥が進むと、薪ストーブのあるリビングへとつながる薪小屋に並べます。お父さんの姿をみて、小学二年生になる息子さんも薪運びを手伝ってくれるそうです。お料理好きの奥様は、薪ストーブを使いはじめてから自然とメニューのレパートリーが増えたといいます。特によく作るピザは、小さな娘さんや、薪づくりを手伝う息子さんも、生地をこねたり、トッピングしたりと進んでお手伝いします。「次は、自分たちで育てたお米で米粉パンを作りたい」と話すご夫婦。とびきりおいしいパンになるまでレシピを練り、何度も挑戦することが楽しみと、嬉しそうに話してくださいました。薪を燃やしてできた混ざり気のない灰は、自宅周りの田畑にまいて肥料にします。そして、育った野菜やお米を薪ストーブで調理します。ここに、無駄のない自然な循環が生まれ、火と暮らすほどに、家も、土地も、家族も豊かになっていくようです。



◇だから、この暮らし
本物の炎に接しながら暮らすことは、かまどや風呂焚きの消えた現代、誰もが体験できることではありません。F邸では、薪ストーブの準備や畑仕事など、生活の中にあるたくさんの手間が、木が生きていること、食物が口に入るまでの道のり、ひとつひとつにみえる世界が繋がっていることを教えてくれます。ご夫婦の願い通り、情緒豊かにのびのびと育つお子さんたちが、F邸が抱く力を物語っています。



三豊市 F邸 2010年4月竣工
改修・増築面積/114.26㎡(34.62坪)
構造/木造平屋建 在来工法
設計・施工/菅組

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〔森里海から No.32〕アユモドキ


文・写真 菅 徹夫

アユモドキという魚をご存じでしょうか?名前から受ける印象はアユのまがいものと言ったイメージかもしれませんが、なんとれっきとした国指定の天然記念物の淡水魚なのです。容姿はアユに似ているとは思えないのですが、その泳ぎ方がアユに似ているところからその名がついたようです。日本の魚で天然記念物は10数種類(淡水魚としては4種類のみ)しかいませんので、とても希少な淡水魚と言えます。
それもそのはず、現在アユモドキは京都府亀岡市の桂川水系、岡山県の旭川、吉井川水系の3カ所にしか生息していないのです。生息域が極端に少なくなってしまったのには理由があります。アユモドキは普段、用水路の石垣の隙間などに住み着いているのですが、夏期に用水路の水が上がり水田に水が入るほんの数日を狙って、用水路から水田へと遡上(?)してきます。そして水につかった畦の雑草に卵を産むのです。卵はなんと24時間で孵化し、2~3週間もすれば3~5cmぐらいの体長に生長します。そして1ヶ月以内に用水路へと戻っていきます。つまり産卵期に用水路から水田に水が流れ込み、1ヶ月程度水に浸かった草原が確保されないとアユモドキは子孫を残すことができません。用水路はそもそも人が作った人工的な川、そして田んぼに水を引き込むのも人の営みによるものです。そういう意味でアユモドキは、長い年月まさに人と共生してきた生き物ということができます。

photo:左・・・このような住宅地を流れる用水路にアユモドキは生息してます。(岡山県旭川水系)
    右上・・古い石垣の隙間がアユモドキの絶好の住処です。(岡山県旭川水系)
    右下・・アユモドキの産卵環境。水に浸かった草むらに産卵する(アユモドキ観察会での様子)(岡山県旭川水系)



上:アユモドキの稚魚(生後3週間ほど)すでに5cm程度に成長している
下:アユモドキの生魚(体長15cm程度)



地球上には原生林のような手つかずの自然もあれば、用水路のような身近な自然もあります。そしてそこで育まれる生物多様性。ここでは人間がつくった石垣がアユモドキの絶好の住処となり、稲作という人の営みがアユモドキの産卵場所を提供しています。このように、もともと人と自然との共生は決して特別なものではなかったのです。人の生活に身近なところで生物多様性を育む環境を維持すること、それがとても大切だとアユモドキは教えてくれるのです・・・。

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〔工事現場紹介〕石丸製麺株式会社新工場増築工事



100年以上の歴史を持つ、国内最大級の半生麺工場で、新工場の増設工事が進んでいます。新工場では、隣接する工場で製造された半生麺を包装する他、工場見学も積極的に受け付けています。今回、お客様に快適に見学していただけるよう、エスカレーターが設置されました。



品物を乗せたフォークリフトごと乗り降りできる大型エレベーターの入口

◇エスカレーターの施工搬入
外装を残し組み立てられたエスカレーターは2等分された形で、1階から工場内に運ばれます。上の階へはチェーンブロックを使い慎重に吊り上げ、所定の位置に降ろします。その後、作業員全員の息を合わせ、ゆっくりと角度を変えながら空中で合体させます。



右:搬入の様子。台車をつけ、作業員が押して移動させます。
左:1階にある部品をチェーンブロックで吊り上げています。慎重に高さを調節します。(※チェーンブロックとは?
滑車と鎖を組み合わせた装置。鎖を、手動または電動で引いて重量物を持ち上げます。)



現場監督:(右から)行成、相坂、堀川
設計:コープラス建築設計事務所
施工:(株)菅組

石丸製麺 株式会社
香川県高松市香南町岡701  TEL:0120-459140
8:30~17:00 [土・日・祝日を除く]
※工場見学をご希望の方は、事前予約が必要です。詳しくは石丸製麺様ホームページをご覧ください。

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〔薪ストーブをもっと知ろう!〕薪ストーブの世界


表情豊かに変わる炎の瞬き。
揺らめく炎の前で、
思い思いの時を楽しむ。
炎を囲み、炎を愛おしむ。
特別な時間をあたえてくれる
薪ストーブの世界。


◆CO2はゼロ!環境にやさしい薪ストーブ
薪ストーブの燃料である薪。燃やすとCO2が排出されますが、これはもともと木が光合成により蓄えていたCO2です。つまり、「プラスマイナスゼロ」。これをカーボンニュートラルと言います。エアコンの電気やファンヒーターの石油と比べても、薪ストーブは地球にやさしい暖房と言えます。

◆「輻射」、「対流」のW効果と換気装置
空気を暖めるのではなく、直接ものを温める方法を「輻射(放射)」、空気によって熱を伝える方法を「対流」と言います。薪ストーブは主にこの方法で、室内を温めます。輻射熱は、人だけでなく、壁や床、天井などを暖め、もの自体に熱を蓄えさせるので、長時間温かさが持続します。また、薪ストーブの本体は200℃ほどの高温になるため、空気に熱を伝える力が強力です。
そして屋外の空気を強制的に取り込み、煙突から排気するので空気は常に入れ替わります。薪ストーブは、すぐれた換気装置でもあるのです。




◆薪ストーブオーナーさんの暮らし
薪ストーブのある暮らしを楽しんでいるオーナーさんをご紹介



ホーロー仕上げで、手入れがしやすく、オーロラのような美しい炎が楽しめ、料理にも大活躍のハンプトンH300。Y邸では、子ども達とピザを焼いたり、薪割りをしたりと、みんなで楽しんでいるそうです。



間伐材などの針葉樹が焚けて、お求めやすい価格が魅力のエッセ ブライトン。シンプルなデザインの上、窓が大きく、揺らめく炎を堪能できます。K邸では、炎を囲んで家族の時間を楽しんでいるそうです。

◆薪ストーブ Q&A
Q→薪ストーブの設置費用はどのくらい?
A→主な費用として、本体+煙突+設置・施工代となります。既存住宅に設置する場合は、この他に別途費用(炉壁・炉床等)が発生します。実際に設置場所を確認した上で、適正な部材を積算いたします。
目安:本体価格+煙突40万~60万円+設置・施工20万~40万円  合計:本体価格+約60万~100万円

Q→薪ストーブに火を付けたまま、外出したり寝てもいいの?
A→付けたままで大丈夫です!薪ストーブは、家の中で安全に薪を燃やすことができる構造になっています。炉内はしっかりガードされており、排気は煙突を通じて安全に排出されます。ストーブの火が何かに飛び火することはありませんので安心してください。

Q→煙突掃除はどのくらいの頻度で必要?
A→使用頻度に応じて定期的に(最低でも年に1回)行ってください。古木里庫では、煙突掃除出張や掃除道具の貸し出しも行っています。

Q→1シーズン(約4カ月)に使う薪の量はどれくらい?
A→使用頻度によりますが、約2~3リューベです。古木里庫では、薪の販売も行っています。

Q→薪に適している木の種類は?
A→火持ちの良さやヤニの量が少ないという理由で広葉樹(カシ、クヌギ、ナラなど)が適しています。 ※必ず充分に乾燥した薪を使用してください。(乾燥期間目安:約1年~2年)火持ちの良さや火力の強さでは広葉樹(カシ、クヌギ、ナラ)などが適しています。古木里庫には針葉樹(杉、桧など)も燃やして大丈夫な薪ストーブも取り揃えています。

◆薪ストーブのご相談は「古木里庫」へ!
薪ストーブに興味のある方、もっと知りたい方、疑問、質問のある方など、お気軽にご相談ください。定期的に薪ストーブイベントも開催しております。詳しくはHPをご覧ください。
古材と薪ストーブのお店「古木里庫」(こきりこ)
香川県三豊市仁尾町仁尾乙264
TEL0875-82-3837

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〔イベントのご案内〕1000000人のキャンドルナイト2014 冬至 in古木里庫



炎のゆらめきをみつめて、何もない時間を過ごす
お気に入りの本をもって、薪ストーブの前でくつろぐ
二度とない瞬間を写真にのこす
特別な夜を思い思いにお過ごしください
でんきを消してスローな夜を

12月13日(土) 入場無料
19:00~21:00(開場18:30)


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