自然と寄り添う暮らし

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あののぉ vol.24 2012 冬

あののぉ vol.24 2012 冬

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〔お宅訪問〕「讃岐舎」に暮らす


南向きの高台に佇むY邸。
讃岐の風景を見渡すこの地は、
飛行機の航空路でもあります。
様々な場所や国へ出掛けることが
好きなお二人の、
お気に入りの場所。
たくさんの思い出を重ねる、
住まい手らしい讃岐舎の
6年目を訪ねました。


南向きの高台に佇むY邸。ひらけた風景の中には讃岐のおむすび山が並んで顔をのぞかせています。ご夫妻が出会ったこの場所は、ここに家が建つのだろうかと心配してしまうほど傾斜のある雑木林でした。ですが見晴らしがいいことに加え、高松空港に離着陸する飛行機が近くで見えることが気に入りここに決められました。奥様は飛行機が好きで、パイロットの訓練場で有名な沖縄の下地島へ毎年ご夫婦で旅行に行かれるほどです。奥に縦長い敷地の、木々に囲まれたアプローチの先には、6年の月日を経た落ち着きのある讃岐舎が品よく佇んでいました。傍らに植えたシンボルツリーのミモザは、春になるといち早く花を咲かせるのだそうです。「家の大きさはほどほどで、庭を広くしたかった」とご主人。傾斜を残した南面の庭には、好きな木を毎年少しずつ植えています。庭をつくることは、景色が豊かになるだけでなく、繊細でかわいらしいメジロの巣に出会えるなど付加的な喜びも大きいようです。


ハウスメーカーの機能的であたたかそうな家にあこがれていたというご主人。出張先のホテルは、設備が整う理想的な部屋でしたが、連泊するうちに合板に囲まれた空間が疲れることに気がつきました。見た目は美しくても肌で感じる違和感は否めなかったそうです。奥様のすすめで木の家を見るうちに、木の無垢材こそ「あたたか」なのだと感じるように。それから展示場や見学会場でご自身の感覚を確かめられ、家づくりがスタートしました。
「寒がりではあるけれど、そのために部屋を小さく区切るのは好ましくない」と思っていた奥様。以前から知っていたOMソーラーの、太陽の熱で家全体をあたためる考えに惹かれ搭載を決意。間仕切り壁は必要最小限に、建具も引き戸を多用することで、家が一つの大きな空間に感じられました。また、現しになったたくさんの木が呼吸をしているためか、空気がとても気持ちいい家でした。この讃岐舎らしい木の量の多さは、工事中に行われた外部検査員の方も驚かれたほどです。



Y邸の魅力でもう一つ欠かせないものは配色です。バルコニーはナチュラルなオリーブ色、墨のような質感の黒い玄関ドア、OMダクトは鈍色。その独特の感性で選ばれた色は、旅行が趣味だという奥様ならでは。古代ローマの遺跡が好きで、アジアや北アフリカなど様々な国を訪れたそうですが、そこで出会う色、食、文化の豊かさが、暮らしの小物選びや生活スタイルに大きく関わっているのだと伺えます。住まい手によって様々な顔を見せる讃岐舎ですが、「オリエンタルやアラビックなものが和と融合し混在することがこの家らしい」と奥様。旅先で出会った一つ一つの思いが暮らしを彩り、ご夫婦ならではの魅力的な家になったのだと感じました。

綾歌郡 Y邸 2007年9月竣工
延床面積/137.00㎡(41.52坪)
構造/木造2階建 在来工法
設計・施工/菅組 

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〔森里海から No.24〕瀬戸の漁港


文・写真 菅 徹夫

香川県のあまり注目されていない財産の一つに「漁港」があります。豊かな漁場瀬戸内海をバックに香川の漁業は栄えました。「播磨灘」「備讃瀬戸」「燧灘」という3つの海域に面し、それぞれの海岸線は複雑に入り組み起伏に富む海底は天然礁をつくり、多数の島々は、潮流の緩急に変化を与え、海水は周辺地域の河川から流入した栄養分のある水をたたえています。瀬戸内海は魚類が生息するのにうってつけの自然・地理条件をそなえているのです。
複雑に入り組んだ海外線には数多くの小さな漁港があります。それらの漁港は昔ながらの石積みの防波堤で入り江をつくり、静かな水面に漁船が浮かぶ光景は、青い海と空、小高い山と相まって瀬戸内海の漁港独特の風景を醸し出しています。そこには世間の喧噪から離れた一種独特のスローな空気感が漂っています。
漁師さん達の暮らしが息づいた漁港は、潮の干満や天候、停泊する漁船の数や夕日など刻の違いによる陽の具合、波の状態など一時たりとも同じ光景はなく、見ていて飽きません。人が漁業という生業を通して海やそこに生息する魚介類と共生していることが、自然で美しい光景をつくりだしているのだと思います。
ここでもコンクリートの防波堤や護岸は景観を破壊します。それだけではなく、石積の防波堤は魚介類の生息空間(ビオトープ)として機能しますが、コンクリートのそれは生態系にも悪影響を与えます。美しい景色というものは自然と共生していることが必要条件今、昔ながらの石積の防波堤がコンクリートや魚礁にとって代わられようとしています。箱庭のような美しい景色としての漁港を後世に残していきたいものです・・・。


photo:左上から
・須田漁港(詫間) ・笠島漁港(本島) ・大浜漁港(詫間) ・肥地木漁港(詫間)・生里漁港(詫間)・曽保清水漁港(仁尾) ・積漁港(詫間)・小坂漁港(本島)・j.箱浦漁港(詫間)・室浜漁港(詫間) ・室本漁港(観音寺市) ・仁老浜漁港(詫間) ・多度津漁港

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〔お店紹介〕丸岡味噌麹



「自信のあるものを売るから力が入る」と話すのは明治2年創業、丸岡味噌麹の店主・丸岡敦子さん。お店に並んでいる味噌や塩麹は、すべて一から手作りされたものばかり。季節によって扱い方が違うのも麹が生きているからこそ。ごまかしのない、正直なお店です。「材料から作り方まで、何でもお教えします。隠し事はありません。唯一隠すとしたら年齢かな?」と笑って話すお母さん、その場にいる人みんなを笑顔にしてくれます。



こちらの甘酒には、砂糖や生姜は入っていません。自家製の麹とお米のみで作られていて、なんともいえない甘さが口の中に広がります。この甘酒を1日3杯は飲んでいるというお母さんのお肌はツルツル!「飲む点滴」とも言われる甘酒。正しいものを食べることが若々しいお肌の秘訣、というお母さんの言葉もうなずけます。
今回改修されたという店内には、桶の蓋を使った陳列棚や、大きな布団箪笥の机など、歴史が見えるほどに使い込まれた道具たちが、お店のインテリアとして生まれ変わっています。また、増築部分の梁には古木里庫の古材を大工さんに使っていただきました。玄関の大きな二枚扉も古木里庫の扉を参考にしているそう。目を引く取っ手は、お母さんが麹作りで毎日使うしゃもじ型を特注しました。歴史の染み込んだお店、お話し上手なお母さん。あたたかい雰囲気に包まれた空間で、本物の味がする商品たちを手にとってみてください。


丸岡味噌麹

住所:三豊市三野町下高瀬540
営業時間 7:00~19:00
電話:0875-72-5417
定休日:無休

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〔スタッフリレー6〕東祖谷落合集落

今回は、東祖谷にある落合集落をご紹介します。
今年の大河ドラマ「平清盛」、その平家落人伝説でもある場所です。
徳島県の阿波池田地域から車で約1時間。大歩危・小歩危の渓谷や祖谷のかずら橋を眼下に見下ろしながら、山間の道を進んでいくと、少しだけ民家の密集している場所にたどり着きます。そこが落合集落の入口です。




落合集落は「三好市東祖谷山村落合重要伝統的建造物群保存地区」に指定され、積み上げた石垣と急斜面に広がり、江戸中期から末期に建てられた主屋を多く残した古民家を保存している山村の原風景を今なお見ることが出来ます。
集落内の移動は林道(車通行可能)と里道があり、集落の頂上付近までは里道を歩いて上がらないとたどり着けません。林道で通れるところも、茅葺き屋根の民家の中を見学でき、その民家を管理している方とお話をしたり、自然豊かな山々と古民家が一体となった空間を体験できます。
また、築300年の古民家などの伝統的建造物に宿泊できる施設もあります。集落から車で20分ほどの場所に位置する「ちいおりトラスト」で山村での生活にふれることもできますので、是非行ってみて下さい。



集落の全景は川を挟んで展望所から見ることが出来ます。お食事処では“祖谷そば”と“でこまわし”がおすすめです♪
※でこまわし・・・岩豆腐、コンニャク、じゃがいもに味噌をつけて串焼きしたもの


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〔イベントレ案内〕100万人のキャンドルナイト

2003年6月22日の夏至の日、
“100万人の広がりを持ちますように”という願いが込められてはじまった「100万人のキャンドルナイト」。古木里庫・エコショップでは第1回目から賛同し、今回で15回目の開催になります。
そして、今回はそのキャンドルナイトの呼びかけ人代表であり、「でんきを消して、スローな夜を」の合言葉をつくられたマエキタミヤコさんをお迎えしての記念すべき開催です!
キャンドルナイトのお話や環境やいきもののお話など、ぜひご一緒に耳を傾けてみませんか?



1963年、東京都生まれ。コピーライター、クリエイティブディレクターとして1997年より、環境NGOの広告(日本自然保護協会等)に取り組み、 2002年に環境広告メディアクリエイティブ「サステナ」を設立。
「100万人のキャンドルナイト」呼びかけ人代表。いきものみっけ、大地を守る会、エネシフジャパン等活動は多岐にわたる。
「100万人のキャンドルナイト」呼びかけ人

・18:45~ マエキタミヤコさんのキャンドルナイトよもやま話マエキタさんと話そう!
・20:10~~ キャンドルナイトのこと 生物多様性のこと~



オカリナ作家・奏者(主宰 土工房あい)
キャンドルナイトではおなじみの陽光さんの素敵な音色でスローなひとときを。

・19:40~ 陽光さんのオカリナミニコンサート

17:00 開場
    薪ストーブで焼くピザ試食会
18:30 でんき消灯 キャンドルナイトスタート
18:45 キャンドルナイトよもやま話
「100万人のキャンドルナイト」呼びかけ人 マエキタミヤコ
19:30 休憩
19:40 オカリナミニコンサート オカリナ作家・奏者 陽光(土工房あい主宰)
20:00 でんき点灯
20:10 マエキタさんと話そう!~キャンドルナイトのこと 生物多様性のこと~
21:00 終了

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〔商品紹介〕COOKING STOVEESSE Plus1



古木里庫に新しい薪ストーブが加わりました!とっても可愛いコンパクトなクッキングストーブ「Plus1」のご紹介です。




ポイント①
上段の炉は、耐熱ガラスと頑丈なドアの二重構造。保温性を高めるとともに、ドアを開ければ安心して揺らめく炎を楽しめます。a参照
ポイント②
下段のオーブンは、大きな火力により、短時間で調理可能となります。b参照
ポイント③
天板は、ブルズアイターゲットのホットプレートになっており、調理器具の大きさに合わせてオープンすることができ、直火で調理できます。c,d参照
ポイント④
選べる20色!オリジナルカラーからお好みの色を選べます。
※ホーロー仕上げのみ選択可能

遠赤外線効果でお肉やお野菜、ピザなど、格別の美味しさに♪キッチンを楽しく彩るPlus1で美味しいお料理をつくりませんか?
本体価格:ブラック(ホーロー無し)¥630,000(税込)、ホーロー仕上げ¥682,500(税込)
※煙突、工事費等は含まれておりません。

問い合わせ:・ 古木里庫(こきりこ) TEL 0875-82-3837  


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