自然と寄り添う暮らし

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あののぉ vol.23 2012 秋

あののぉ vol.23 2012 秋

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〔お宅訪問〕メゾン・ド・プロヴァンス


プロヴァンスという
本物の質感のある家。
どこまでも追い求めた
理想の家は、
とてもやさしい表情で
家族を、来客をとりこにします。
ここで暮らすことの喜びは、
「家が好き」という純粋な心で過ごす
愛しい日々。


家づくりチーム
里山のふもとの少し小高い土地に佇むT邸。坂を上り隣家の大きな木々を過ぎると、絵本の中のような南仏プロヴァンスの風景が広がります。かわいらしい木の実や小さな花々が出迎えてくる庭には、イトスギと呼ばれる細長い木が象徴的に植えられていています。「この木も岩本さんが見つけてきてくれてね」と笑顔のご主人。岩本氏はT邸をプロデュースされたブチック人形館の前社長(故人)です。以前から知り合いだった岩本氏が手掛けた、Tさんの友人のお宅を見て、こんな家に住みたい、この人だったら間違いないと計画を依頼。ご夫妻と岩本氏、そして設計スタッフが加わり、「いい建物にしたい」という思いをそれぞれの立場から注ぎました。「多才な岩本氏の想像もつかない新しい提案や、設計の立場からの的確な返答など、いろんな刺激があって、毎週の打合せがとても楽しみだった」とご主人。


本物を選び抜く
玄関のステンドグラスの扉はイギリスで使われていたものをリメイク。アールヌーボー調の庇も家の雰囲気に合わせてあつらえました。玄関には階段ホールと吹き抜けが広がり、ローソクをイメージした赤いペンダントライトが凛とした空気を演出します。それは素焼きタイル、漆喰、古材、アイアンなど、素材の質感が感覚的にそう感じさせるのだと思います。「機能よりも、使うことで時間とともに味が増す」ことを大切にされてきたご夫妻。ご結婚の際に購入された木のテーブルも、使い込まれた風合いが優しく手になじみます。



ご結婚の際に購入された木のテーブルも、使い込まれた風合いが優しく手になじみます。毎日肌で触れるものを丁寧に選ぶことは、子供の感性を育むことへもつながるとおっしゃいます。建物を印象付けるよろい戸は、普段の生活に欠かせぬものに。扉のガラリが「光や雨を遮りながら風を通すので、外出時の防犯にいいですよ」と奥さま。木製のため水気を含むと閉めにくい時もあるそうですが、
「今日は閉めにくいなぁ」と思うくらいで、その日の調子を楽しんでいるようでした。



休日は薪を割ったり、庭の手入れをしたり、家にいることが好きになったとご主人。薪ストーブの設置は当初インテリアの要素が強かったそうですが、1年2年と使うごとに、炎のある暮らしのとりこに。岩本氏もここが気に入ったようで、毎週訪ねてはテラスでの談話を楽しまれていました。建てた後も携わった方が来られ、家や旅のことを話される、そんな暮らしがとても素敵に映りました。床も壁も特に手入れはしていないそうですが、5年目を迎えた家はとてもキレイで、住まい手さんの愛情を感じます。部屋を眺めながら「これからずっと先、いい味の出た家になるのが楽しみなんです」とご主人。

三豊市 T邸 2008年3月竣工
延床面積/143.33㎡(43.43坪)
構造/木造2階建 在来工法
設計・施工/菅組 協力/Veranda

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〔森里海から No.23〕仁尾の路地


文・写真 菅 徹夫

菅組本社のある香川県三豊市仁尾町は「松賀屋」「新屋敷」「田野屋」「永徳屋」といった旧家(商家)が多く残る中津賀地区や中ノ町地区といった古い街並が特徴的です。その一方でそうした街並と直交するように入り乱れる「路地空間」が数多く残っているのもこの町の大きな特長の一つです。多くの路地は車が入れない場合が多く、不便ではありますが、だからこそヒューマンスケールの良い空間がそこには残っています。ヨーロッパのベネチア(イタリア)などの古い街にも多く見られるように、車が入れないからこそ生みだされた人間的尺度の心地良い空間、それが「路地」なのです。
Wikipedia(ウィキペディア)によると「路地」は次のように説明されています。
『路地は露地(屋根のある建物以外全般の地面)に派生したもので、家屋の間に便宜的に設けられた通路である。主に歩行者やそれに順ずる者の交通に供され、自動車の交通はえてして考慮されない。いわゆる「横丁」はおおむね同じようなニュアンスがあるが、「路地」と表現されると更に狭く隣接する建物の関係者以外はほとんど利用しない道を示し、生活道路を含む自動車交通に対応した主要な道路とは別に、勝手口など重要ではない出入口から家屋に出入りするために利用される。
都市の下町や漁村集落に多く分布し、洗濯乾しや地蔵や植木の存在とともに居住者の生活空間として活用され、コミュニティをつなぐ空間を成す。いわゆる「道路」ではないことから、私有地である家屋の敷地とは余り区別されず、私財が留め置かれることもままあり、こと古い町並みでは地域住民の様々な生活の一端を塀や壁・垣根の外に見出せることも珍しくはない。』




重要なのは「居住者の生活空間として活用され、コミュニティをつなぐ空間を成していた」ことです。路地はそのような機能を自然と持ち合わせることでコミュニティや地域文化の醸成に大いに役立っていたのです。仁尾に残る数多くの路地は、そうした痕跡を留めるものもいくつかあり、いまでもとても魅力的な空間を醸し出しています。これらの路地空間が維持され続けるには、車が入れないことが大切です。自動車という「文明」によって窮地に追い込まれている「文化」としての路地空間。「文明」から「文化」へのシフトが求められるこれからの日本の社会にあって、見直されるべき重要な文化的空間だと思うのです・・・。

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〔工事現場紹介〕(仮称)リリーフライフケア高松 ~サービス付き高齢者向け住宅~




屋島を望む主要道路沿いに建設中のリリーフライフケア高松は、1階にデイサービス、2~5階にサービス付高齢者住宅を有する施設です。最上階の5階には、屋島が見える展望風呂や広いカフェスペースがあり、ゆったりと暮らせるような心配りがなされています。
3月から始まった工事は、まず杭工事を行いました。住宅でも同じですが、初めに敷地の地質調査(ボーリング)を行い、地盤の固さを調べます。この土地の固い支持地盤は地下20mであったため、最大直径70cmのつば付の杭と鋼管杭を重ねた計20mの杭を、21箇所に埋め込みました。
地上からは確認できませんが、地下には建物をしっかり支える杭が埋まっています。

photo:上/上杭と下杭を接合している様子 下/杭


土間下の配管工事が終了すると、鉄骨の建方に取り組みます。基礎と柱をつなぐ工法は、露出形式の柱脚工法を採用。強度の強いボルトとアンカーにより、強固に固定できることから、根固め(コンクリートの補強打ち増し)が不要です。施工の仕上がりをすっきりさせる、意匠と強度を兼ね備えた工法です。構造は建物が完成すると見ることができなくなりますが、構造設計士や現場監督の思いが詰め込まれた大切な要素の一つです。例えば基礎梁は、構造計算の方法や建物の規模によって、埋め込む鉄筋の太さ、本数が変わります。決められた間隔を守りながら、強度と納まりを考えた図面はとても美しく、また実際に現場で組み立てられた鉄筋が整然と並ぶ姿は機能美そのものです。建物の住み心地や安心感は、良い設計であることはもちろん、見えない構造がしっかり支えているからなのだと改めて感じました。


photo:左→柱の接合ボルトと基礎梁の鉄筋  右→現場所長:佐野
設計・施工:菅組

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〔お店紹介〕cafe de flots(カフェドフロ)


瀬戸内の穏やかな海岸沿いにある「café de flots(カフェドフロ)」。「flots」は波の複数形で、海が近いことや、カフェで過ごす時間の流れを表しています。仁尾町でカフェをオープンされて7年。東京での暮らしを経て、地元にも自分が行きたいと思えるカフェがあれば。という思いで、倉庫を改修しオープンされました。料理がおいしいことはもちろん、人と人がつながっていくようなお店にしたというご主人。ランチの一番人気はふわふわのハンバーグ!
カレーのリピートも多く、パスタやオムライスなど、それぞれの固定ファンがいるそうです。平日の夜は裏メニューもあり、その日の食材や時間帯によって、様々な料理を楽しむことが出来ます。店内は余分なものは置かず、気に入ったものだけを置くように考えられていています。窓際の席で海を見ながらのんびり過ごす方もいれば、カウンターに座り、ご主人との会話を楽しむ方も。暮らしや趣味の話など、会話の中で新しい発見があり、そうして広がっていく人とのつながりが嬉しいとおっしゃいます。
休日はシーカヤックを楽しむご夫婦。暮らしに必要なものは何かを考えて、今あるもので自分たちらしく過ごすことを自然体で楽しまれています。お店のスローで心地よい雰囲気は、そんなお二人のおおらかで、真っ直ぐな暮らしから生まれるのだと思いました。
ご主人のおススメは県下に一台しかないEXPOBARのエスプレッソマシーンでいれるコーヒー。海に沈む夕日を見ながら、楽しい会話とおいしいコーヒーをぜひ。



cafe de flots

住所:三豊市仁尾町仁尾乙165-1
営業時間  11:30~22:00
TEL:0875-82-4525
定休日: 木曜、第1.3金曜

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〔スタッフリレー5〕手作りビーフジャーキー




①牛もも肉のかたまりを2~3mmの厚さで、5cmほどの薄切りにする。
*ワンポイント*
色々試しましたが、脂の少ない「もも肉」がベストです。肉は薄切り肉でもOK!切った肉をビニール袋に入れる。そこに市販の焼肉のたれを入れ、よく揉み込んで全体になじませる。

②冷蔵庫で1~2時間放置し、キッチンペーパーの上に肉を敷きつめ、水分をよく取り除く。肉の表面に、塩少々、粗挽きブラックペッパーをお好みでまぶす。
*ワンポイント*
ここで味が決まリます!私は辛口が好みなので、しっかりと味付けします♪

③干し物用ネットに肉を重ならないように並べ、風通しのよい所に2~3日干す。直射日光はNG。雨の日は、室内への移動もお忘れなく! 干し物ネットは100円ショップで購入。干し始めたら、1日2回(朝、夕)様子を見る。
*ワンポイント*
観察するのも楽しく、味見をしたりします♪

④3日もすると、ふちが反り返ってくる。触ってみて固くなり、乾いていたら出来上がり!!まぁ~簡単♪



我が家では、小学生の息子がこのビーフジャーキーが大好物で、暇があればよく作ります。とても簡単ですので一度お試しください。


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〔商品紹介〕和ろうそく



心を包み込んでくれるような、癒しの灯りを生みだす和ろうそくをご紹介♪秋の夜長に和ろうそくでキャンドルナイトはいかがですか?



◇櫨蝋(はぜろう)
蝋(ろう)の中では最高級とされる希少性が高い蝋です。その炎はゆったりと大きく燃え、油煙(ゆえん)がほとんど出ません。その理由は、蝋と芯のバランスがとても優れているから。和ろうそくの芯は、和紙と灯芯草(とうしんそう)の随(ずい)でできています。1本1本手作業で、和紙の上に灯芯草が巻き上げられ、真綿(まわた)で止めてつくられます。その上に生蝋手掛け製法とよばれる職人の熟練の技で蝋がかけられ完成します。和ろうそくは蝋と芯と技の集大成として現代に受け継がれているのです。
※灯芯草(とうしんそう):い草の仲間



・A‐4匁(15cm)6本入 ¥2,100 *燃焼時間85分/1本  ・B‐1匁(7.5cm)8本入 ¥1,050 *燃焼時間30分/1本



◇糠蝋(ぬかろう)
米ぬかから取り出した蝋でつくられた糠ろうそくです。
絵ろうそくの発祥は、冬の寒さが厳しい東北です。一面の雪の中、お仏前に供える花の代わりにろうそくに花を描いたのがはじまりです。見ているだけでもかわいらしい絵ろうそくは、お部屋のインテリアやプレゼントにも喜ばれます。
糠蝋に手書きの素敵なお花が描かれています♪※お花の模様は お任せ下さい。
2匁(7.5cm)5本入 ¥2,100 *燃焼時間66分/1本

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〔イベント案内〕仲南の森 大黒柱伐採ツアー



新しく建てる家の大黒柱となる桧や杉を伐採する「大黒柱伐採ツアー」を今年も開催します!天高く育った木が、目の前で伐り倒される姿は迫力満点です。森の中で驚きの体験や楽しい思い出を一緒につくりませんか?
※見学のみもご参加いただけます。


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