自然と寄り添う暮らし

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あののぉ vol.22 2012 夏

あののぉ vol.21 2012 春

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〔お宅訪問〕つくり続ける家


建設業一筋のAさん。
定年を一つの節目に、
もともとあった納屋を壊し、
新しい家を建てられました。
長年の経験と知識を注ぎ、
素材を活かした家は、
築5年を経た今も、
母屋とともに
少しずつ手を加えられています。
つくる楽しさを教えてくれる、
そんなAさんの家を訪ねました。


素材を活かした家
築5年を経たAさんの家は、室内の空気がとても澄んでいて、深呼吸をしたくなります。
木の家の持つ健やかさは「素材の力」なのだと改めて実感します。聞くと、柱や梁は国産杉の天然乾燥材を使用。木の大きな割れは自然のままの美しさであり強さだと、高知へ出向き、実際に木を選び望んで用いたそうです。壁は漆喰や珪藻土の塗り壁、床は松などの無垢材。細部にケヤキなどの天然素材の一枚板を使用し、建具や座卓などの家具も製作。素材を大切にされたのは、いい建物に長く暮らすという「ライフサイクルコスト」を考えた選択でもあり、後世に残るような家づくりを心掛けられた結果でもあります。


火のある暮らし
大きな吹き抜けのあるリビングに据えられた薪ストーブは、小スペース設計が可能な円筒形のコンツーラ。大きなガラス窓から見る炎は美しく、床に座ると火がより近くに感じ、「座」の暮らしは臨場感が違う!と思いました。幼い頃は風呂焚きなど、火を扱うことが当たり前だったAさん。「薪もその山で取れよった」と指差したその山は、幼い頃の遊び場でもあり、暮らしと直接つながっていた大切な場所。今もそこへ行けば木があり、薪があり、昔と変わらない営みがあります。薪ストーブをご希望されたのも特別ではなく、Aさんにとって自然なことだったのかもしれません。そんな薪ストーブの熱は吹き抜けを通り家全体へ広がるため、「寝室のある2階もあたたかい」と奥様。暖まるのに時間は掛かるものの、夜もそのまま眠りにつくことが出来、ご夫妻が育てたサツマイモを焼き芋にしたりと、火のある暮らしを楽しまれています。

「つくる」楽しみ
「まだまだすることがたくさんある」とご主人。その一つが築百年ほどの母屋の改修。現在娘さんがサロンをされている母屋は、5年ほど前から少しずつ手を加え、今も進行中なのだとか!大掛かりな屋根工事は菅組が請け負い、外壁や内装、アプローチなど、自分で出来ることは自分でするのがAさん流。専門分野の電気配線は、アンティーク調の仕上げに。ワックス掛けや障子の張替えは、奥様と娘さんも加わり家族みんなの作業に。知人に相談したり、材を求めて買いに走ったりと、農作業や仕事の合間を縫って、ご自身のペースで進められています。Aさんの目指す「百姓」( 百の仕事ができる=自給自足の生活)にはまだまだと話されますが、好きなものに囲まれたその人らしい家で、その人らしく暮らすことは「百」にも勝る尊いことだと思いました。

三豊市 A邸 2006年10月竣工
延床面積/115.85㎡(35.1坪)
構造/木造2階建 在来工法
設計・施工/菅組

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〔森里海から No.21〕讃岐の出水(ですい)



文・写真 菅 徹夫

出水(ですい)という言葉は、香川の方言らしく水の湧き出ている所、すなわち湧水や泉のことを指します。雨量の少ない香川県では、古来からため池と並んで、重要な水源として飲料水や農業用水に利用されてきたようです。それ以外にも野菜を洗ったり、洗濯をしたり・・・と地域の人々の生活と密着していた出水も数多くあったようです。以前に紹介した善通寺市の「永井清水」はまさにその典型で、最近まで生活と密着していた痕跡が残っていました。しかしながら今ではそういう風習も失われ、人々の生活とはかけ離れた存在になりつつあります。使われなくなった出水は手入れされることもなく、水が濁ってきたりゴミがたまっていたり、また湧き水そのものが出なくなっているものまであります。また護岸工事などでコンクリートで固められて、景観や生き物たちの棲息環境を極端に悪化させてしまっている場合も数多く見受けられます。



優良な出水は、小魚やエビ、トンボやアメンボなど多様な生き物が息づき、生物多様性を育むビオトープとしての役割を維持し続けています。そのような昔ながらの自然度の高い出水は私たちの貴重な財産でもあるのです。成長型社会から成熟型社会へ移行していく今後、「文化」とか「芸術」とか「自然」などがこれまで以上に価値をもち、評価される時代になっていかなければなりません。昔ながらの出水を守り維持していくこと、あるいは既にコンクリートで固められた出水を近自然型工法などで生物多様性を育むビオトープとして再生していくことは、成熟型社会あるいは循環型社会を実現していくためにもとても大切な事だと思います。
私自身、善通寺市には80を超える出水があると言われているのは知っていましたが、最近になって香川県には他にも知られていない出水が、意外にたくさん残っていることが分かってきました。土器川、綾川、財田川などの河川の流域にはけっこうな数の出水が存在しているようなのです。水不足に悩まされ続けて来た土地柄であるが故に、貴重な小さな水源として守られ維持されてきたのではないかと想像されます。
出水の情報はあまり表に出ていないようなのですが、新しい情報を入手できれば少しずつ下記のブログで紹介していきたいと思います。「出水」は地元の人々にその価値を再評価されて、後世に残していくべき「知られざる讃岐の財産」の一つだと思うのです。[参考:WEB「消えゆく日本の淡水魚たち」]
出水記事

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〔工事現場紹介〕丸亀市立城坤小学校屋内運動場改築他工事



丸亀市立城坤小学校は、伝統産業の「うちわ作り」が盛んな丸亀市の西方に位置しています。今回、屋内運動場(体育館)の建て替え工事及び北校舎の改修工事を、当社で施工させていただいています。昨年7月から着工し、夏休みの期間は既設校舎内部の改修を行い、現在2月末の竣工に向け屋内運動場の最終工程に取り掛かっています。足場の解体、室内の床張り、細部の仕上げ、外構工事等を経て完成に向かいます。



体育館は大空間を有する施設であるため、屋根のみ鉄骨構造になっています。軽量で強度の強いトラス構造はそのまま見ることができ、構造も建物の美しさの一つだと実感します。内壁には県産材(ヒノキ)を、幅木や出隅のコーナーには集成材を使用し、木材のやさしい素材感が伝わる室内です。既設校舎に掲げられた校章が、体育館のカーテンウォールに映り込むのを見て、この体育館もまた子供たちの成長を見守る新しいシンボルなのだと感じました。



左側:改修工事を行った北校舎

現場監督:左から眞鍋(所長)・佐倉、安藤
施工/菅組

丸亀市立城坤小学校
住所:香川県丸亀市今津町348

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〔商品紹介〕無臭柿渋



柿渋は古くは平安末期から、防水・防腐剤として使用されていたといわれる天然塗料です。青い未熟な柿をつぶして圧縮してできた汁を発酵させて作られています。柿渋の欠点として、独特の臭いがありますが、こちらの柿渋はその臭いの成分だけを先進技術により取り除いた「無臭柿渋」なのです!



準備物:無臭柿渋、容器、刷毛

今回はパインフローリング(欧州赤松)のサンプル材での実験です。 柿渋の発色は塗布後2~3日後に最も濃くなります。柿渋は酸化することにより発色するのですが、日光に当たるとより濃く発色します。
通常柿渋は一度塗ってしまうとそれ以上薄くすることは不可能ですので、 取扱説明書には約2倍希釈での使用をおすすめしていますが、 今回は原液(希釈無し)でどれだけ発色するかを実験してみました!



柿渋の原液はこんな感じです。まったく臭いはありませんので室内でも手軽にご使用いただけます♪



なかなかきれいに発色しました!自由に色の変化が楽しめる柿渋。おうちの家具のリメイクなどにいかがですか? 布の柿渋染めにもお使いいただけます☆
※材により発色の仕方は異なりますので、あらかじめ端材でのテストをおすすめいたします。
※防水・防腐効果は現在の合成製品には劣ります。屋内塗料としてご使用ください。

問い合わせ:古木里庫(こきりこ) TEL 0875-82-3837

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〔スタッフリレー3〕七宝山の清水




今回は、本社のある仁尾町の名所をレポートします。地元の有志の方々(当社会長も!)のご尽力により、地元に伝わるわき水「七宝山の清水」が注目を集めています。1日9tの湧出量があり、水不足でも枯れることがなく、古くから地域の方に愛されてきた湧き水です。昨年の春には、仁尾のシンボルである“竜”の石碑が設置され、水質検査を行うなどして、利用しやすい環境になっています。美味しい水としても評判になっており、水を汲みに来る方は徐々に増え始めています。仁尾にお越しの際には、ポリタンク持参で寄ってみてはどうでしょうか?



仁尾町と観音寺市(室本町)の境目に位置する「大滝洞門」。海に面したこの洞門の入り口には、それぞれの町の特色が彫刻のような立体絵画で表現されています。「七宝山の清水」はこの大滝洞門の仁尾側の入り口(山側)にあります。海岸線を走りながらぜひチェックしてみてください!


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〔家具紹介〕好きな家具がある暮らし

古木里庫では、椅子・テーブルなどの家具を展示・販売しています!オリジナル家具や杉の間伐材を使ったもの、有名デザイナーが手掛けるものなど、暮らしに寄り添う家具を集めました。




家具自体が何かを主張するのではなく、人々の「暮らし」にとけ込む家具。木を愛する人たちによって作られる家具は、あたたかみがあり、自然と手になじみます。木目や色、手触りなど同じものはなく、素材の特徴もそれぞれです。古木里庫で自分好みの家具を探してみませんか?

問い合わせ:・ 古木里庫(こきりこ) TEL 0875-82-3837 

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〔お知らせ〕復興支援住宅エコポイント



復興支援・住宅エコポイントとは、住宅の省エネ化、東日本大震災の被災地復興支援などのため、エコ住宅の新築またはエコリフォームをした場合にポイントが発行され、そのポイントを被災地の商品やエコ商品等と交換できる制度です。
*詳しくは菅組又は住宅エコポイント事務局にご相談ください。
住宅エコポイント事務局 : TEL 0570-200-121


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