自然と寄り添う暮らし

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あののぉ vol.06 2008 春

あののぉ vol.06 2008 春

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〔お宅訪問〕築百二十年の古民家再生



築百二十年という長い歴史を持つ木造住宅。増築を重ねてきた家にも、
少しずつ不備が目立つようになった頃、ご主人が選んだのは、建て替えではなく、改修工事でした。
家族の歴史を大切に思う、Oさんご夫婦の家を訪ねました。



生き返る家
お伺いして初めての印象は、室内の空気がとても澄んでいて、心地がいいと感じたこと。昔からの木造住宅は、どこか暗く冷たい印象を持っていましたが、着座してみるとそのイメージが間違いだということに気付かされます。
玄関ホールや座敷の天井は取り払い、梁をあらわしにすることによって空間の広がりを持たせています。壁は調湿性の高い漆喰仕上げとなっていて、より柔らかい印象を受けました。ホールの一角にある大黒柱も姿を見せ、どっしりと家を支える存在感を放っています。梁に横付けされた照明がよりモダンな空間を演出しています。
梁や柱の骨組みは、直線的なイメージに捉えがちですが、材の一つ一つが違う表情を持ち、アシンメトリーな木材が白い壁と対比されて美しい造形を見せています。
座敷の凛とした空気と、大きな座卓を囲んでの団らんの中、ふと書院に目をやると、そこにはささやかに春を告げる蝋梅が飾られていました。原風景とも言える美しい日本の習慣が飾らずにここにありました。
今では見ることの少なくなった素戸ですが、夏場には座敷の襖と置き換え、風通しを良くするのだそうです。夏の暑い日には畳でゴロを寝することが日課だったのかもしれません…。日常の幸せがたくさん詰まった場所なのだろうと思いを馳せました。



長く長く住む
築百二十年の家屋を改修するということは、そう簡単なことではないはず。ご主人はやんわりと「おじいさんが生まれた家だから。」とおっしゃいます。その言葉にはたくさんの想いが詰まっていて、その想いを大切にした答えが改修だったのだと伺えます。
「住む家は広くなくていい。寒さがしのげて、快適に暮らせればそれでいい。」と穏やかに告げるご夫妻。改修工事をするのならとことんしようと、傷んだ柱は入れ替え、土台もしっかりと作り直されました。
「バリアフリー」をキーワードに、昔の家ならではの敷居や水廻り、増築部分などの段差はすべてなくしました。とても生活がしやすくなったと、喜ばれる奥さんの顔がとても印象的でした。
家は住まう人が愛着を持てば、長く長く暮らすことができます。流行に左右されることのない家族の形のようにも思います。好きなもの、大切なもの、守りたいもの。Oさんご夫婦にとってはそれがこの生家だったのでしょう。受け継がれる家と、それを生き返らせたご夫婦を素敵に思いました。



三豊市 O邸 2005年9月竣工
延床面積/135㎡(40.9坪)
構造/木造2階 在来工法
設計・施工/ライフプラン・スガ

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〔森里海から No.6〕ニッポンパラタナゴ



文・写真 菅 徹夫

タナゴという魚をご存じでしょうか?「海タナゴ」という釣り人に知られている海水魚もいますが、ここでいうタナゴは日本の河川やため池に昔から生息している淡水魚のタナゴです。日本には16種のタナゴが生息していると言われていますが「ニッポンバラタナゴ」もその中の一種で、日本固有種のタナゴです。繁殖期にオスは美しいバラ色の婚姻色になるためこの名前が付いています。
この「ニッポンバラタナゴ」は香川県と縁の深い貴重な魚なのです。というのも「ニッポンバラタナゴ」は環境の悪化(護岸工事、外来魚の侵入、ため池の管理放棄・・・等)によってその数は激減し、現在は絶滅危惧種(環境省RDB(※1):絶滅危惧ⅠA類・香川県RDB:絶滅危惧Ⅰ類)に指定されています。中国から移入された「タイリクバラタナゴ」との交雑がすすんでいることなどもあり、いまでは純粋な野生の種は全国でも大阪府の一部・北九州の一部・香川県東部にしか生息していないと言われています。香川では三木町周辺のため池30数カ所でその生息が確認されています。香川県は野生の「ニッポンバラタナゴ」が生息する全国的にも希な貴重な地域なのです。
タナゴは非常に珍しい生態をもった魚です。タナゴ類はドブガイ、マツカサガイなどの二枚貝の鰓(えら)に産卵します。卵を外敵から守るための知恵です。卵は貝の鰓の中で孵化し、稚魚になると一斉に貝から飛び出してきます。したがって二枚貝が生息していないとタナゴは繁殖できません。
また二枚貝は幼生の時期に「ヨシノボリ」というハゼ科の魚に寄生して成長します。ヨシノボリが生息していないと二枚貝も生息出来ません。
このようにタナゴと二枚貝とヨシノボリは微妙な3者の共生関係によってはじめて種を存続していけるのです。



香川県はため池が多いことで知られています。讃岐平野と数多くのため池、そしてそれらを結ぶ農業用水路・・・。こうした讃岐独特の水系が「ニッポンバラタナゴ」の生息環境を育んできたのです。農業と密接に関わってきたため池や用水路は農業のリズムに呼応して、ひとの手が入り管理されてきました。人の暮らしと密接に関わってきた二次的自然がそこには息づいていたのです。ヒトと自然が見事に共生していたわけです。

原生林のような手つかずの自然も貴重な財産ですが、ヒトと共生する(ヒトが管理する)二次的自然もまた生物の多様性の観点からはとても大切な資源です。「ニッポンバラタナゴ」もまたそうした二次的自然に育まれてきた生物のひとつなのです。こうした生物が減少していくということは、人間と自然の共生関係が薄れてきたということに他ならないのだと思います。環境問題が叫ばれて久しい昨今ですが、自然との共生空間を身近なものとして復活させることは今、とても大切なことのように思うのです・・・。


※1 RDB(レッドデータブック):野生生物の保全のためには、絶滅のおそれのある種を的確に把握し、一般への理解を広める必要があることから、環境省では、レッドリスト(日本の絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト)を作成・公表するとともに、これを基にしたレッドデータブック(日本の絶滅のおそれのある野生生物の種についてそれらの生息状況等を取りまとめたもの)を刊行しています。

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〔竣工物件紹介〕こんぴらさん 川辺りの宿 「ことぶき旅館」



こんぴらさんのメイン通りには、金倉川が隣接しています。五街道の集まる中心として、遠い昔からお遍路さんたちに愛され続けてきたこんぴらさん。その川辺りに建つ宿が、ことぶき旅館です。開業から100年という月日が経った今も、変わらず琴平を訪ねる方達を温かく迎えてくれます。この地でこれからも…というご主人の温かな思いから、耐震改修が始まりました。



仲多度郡琴平町新町245-5
TEL:0877-73-3872
客室数:7室(和室7室)
収客人員:20名
宿泊料金(1泊2食)
    :6,000~10,000円
開業:1912年 駐車場:5台

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〔suganのお仕事〕OMソーラー点検+定期調査 



建物は建ててからが、本当のお付き合いの始まりだと考えています。当社では、建物の定期調査を「3か月、1年、2年」と定め、お客様の立場になった調査を心掛けています。
お客様の声に耳を傾けると共に、万一不具合な個所を発見した場合は、迅速な対応を行い、原因究明に努めます。
今回は住んで1年目のお宅へOMソーラーの点検もかねて、定期調査へ伺いました。

◆OMソーラーの点検・・・正常に作動しているか、お引渡した年の季節の変わり目、1年、2年、3年と点検を行います。制御盤の操作と機械係が二手に分かれて、それぞれの点検を行い、無線で確認しあいます。

◆定期調査・・・床下の点検のほか、建具の不具合や床鳴り、水廻りの点検等建物全体の点検を行います。チェックシートに沿って、内外部の項目を一つ一つ確認していきます。調査後は、建物ごとに管理・保管を行います。



担当部署:CS推進室 TEL:0875-82-2441
CS推進室では、お引渡し後のアフターサービスを主に担当しています。住まいのことで気になる点がございましたら、ご連絡ください。

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〔ecoshop information〕あろはクラブ



あろはクラブとは・・・
あ…アロマテラピー
ろ…ロハス
は…ハーバーライフ



あろはをテーマに、自然の力を学んで、毎日の暮らしを楽しく豊かにする、情報満載のクラブです。OMエコショップすがでは、「あろはクラブ」のイベントを毎月開催中!
石けん作り教室やハーブティー教室など、アロマやハーブが気になる初心者の方におすすめです。講師は藍色工房の板東未来さん。楽しくわかりやすくレクチャーして下さいます。
身体にやさしく安全な自然素材を用いての手作りイベントです。教室で手作りする楽しさも是非体験して下さい。イベントの情報はエコショップのHP、お電話よりお問い合わせ下さい。
お菓子作りのように、量や温度を計りながら進めます。ハンドクリーム教室、リフレクソロジー教室 なども行っています。

主催/(有)藍色工房

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〔お知らせ〕Honda太陽光発電



環境にも、家族にも、うれしいエコ発電。
水も空気もまったく汚さず、豊富な太陽の光だけで電力を生み出す太陽電池。この夢のような環境にやさしいエネルギーが、住宅分野でも少しずつ普及し始めています。今後、確実に主流となるだろう太陽電池の販売として、弊社ではホンダソルテックと共に歩んでいくこととなりました。今後、一貫した体制で望みたいと思っております。
Honda独自の「CIGS薄膜太陽電池」は、近年主流となっているシリコンを原料としていません。シリコンは発生電力に対する製造エネルギーが大きく、原料としての継続が懸念されます。そこで「次世代型太陽電池」として注目を集めているのが、非シリコン系の原料を使用した、「薄膜太陽電池」です。

◆CIGS薄膜太陽電池とは
・銅-インジウム-ガリウム-セレン(CIGS)の化合物を素材とした薄膜で形成された太陽電池
・使用原料が少なく、資源を有効活用できる
・製造時の消費エネルギー&排出CO2が少ない
・薄膜系太陽電池で高いレベルの変換効率を達成
・ブラックパネルで、デザイン性のある設計が可能



ホンダ太陽光電池の販売に先駆けて、ホンダソルテックを交え、社内研修会を開催しました。
弊社としても初めての分野ですので、様々な意見の飛び交う有意義な研修会となりました。
製造販売元/株式会社ホンダソルテック


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