自然と寄り添う暮らし

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あののぉ vol.58 2021 夏

あののぉ vol.58 2021 夏

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讃岐緑想に暮らす「堀部モデル」「菅組モデル」のご紹介



讃岐緑想に暮らすという選択

香川県三豊市仁尾町の父母ヶ浜の近くに佇む「讃岐緑想」は、宿泊施設として多くの方にご利用いただいております。

穏やかで豊かな土地であるからこそ、何も足さなくても良い──。この地の風土と、等身大の暮らしを受けとめる住宅──。
そうした想いのもと生まれたのが、建築家・堀部安嗣氏と(株)菅組が手掛けた讃岐緑想です。

そして、この讃岐緑想を ご自身の住まい として建てたいという方に、堀部氏オリジナルの【堀部モデル】と、仕様を変更しコストをおさえた【菅組モデル】の2種類をご用意いたしました。

※詳しくはこちら





◆data◆
・延床面積≫117.17㎡/35.51坪(1階≫83.86㎡/25.41坪  2階≫33.31㎡/10.09坪)

◆金額(本体価格)◆ ※2021年5月時点
・堀部モデル≫【¥39,500,000(税抜)】¥43,450,000(税込)
・菅組モデル≫【¥35,000,000(税抜)】¥38,500,000(税込)

◆仕様(堀部モデル)◆
・屋根材≫菊間瓦六四版・ガルバリウム鋼板
・外壁材≫焼杉板
・内壁材≫杉 荒木・珪藻土塗
・室内床材≫杉 無垢フローリング
・天井材≫杉 荒木・珪藻土塗
・玄関ドア≫木製ドア(檜)
・サッシ≫製作木製建具・サーモスX(LIXIL)
・キッチン≫製作家具
・浴室≫檜板張り ハーフユニット
・断熱材≫セルロースファイバー(付加断熱GWt100)

◆オプション◆ ※外部設備及び外構工事は別途
・ソーラーシステム≫びおソーラー
・暖房≫薪ストーブ
・家具≫デスク、ダイニングテーブル、ソファなどの置き家具

◆各種性能◆
・耐震等級≫2
・劣化等級≫3
・維持管理等級≫3
・省エネ対策等級≫4


建築家 堀部安嗣 Horibe Yasushi

1990年筑波大学芸術専門学群環境デザインコース卒業後、益子アトリエにて益子義弘に師事。1994年堀部安嗣建築設計事務所を設立。2002年第18回吉岡賞を《牛久のギャラリー》で受賞。2007年から京都造形芸術大学大学院教授を務める。2016年日本建築学会賞(作品)を《竹林寺納骨堂》で受賞。2017年瀬戸内海を航行する客船《guntû(がんつう)》を設計。



讃岐緑想の見学をご希望の方、「堀部モデル」と「菅組モデル」の違いなど、お気軽にお問い合わせください。

お問合せ先【菅組】(担当:池ノ上)
tel:0875-82-2441  

info@suga-ac.co.jp

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讃岐緑想 生物多様性を育むビオガーデン



讃岐緑想の庭には、タブノキやイロハモミジなど地域の植生樹種を中心に約50種類の樹木、10種類の草本を植栽しています。
殆どの植物を在来種のものとし、うち14種ほどは近隣の三豊市、観音寺市で採種した地域種苗を使用しています。
その他の植物もできるだけ瀬戸内地方の遺伝子を持った苗を集めています。
讃岐緑想では、その取り組みが評価され、2020年に四国地方において初、また戸建てモデルハウスとして全国初となるハビタット評価認証(JHEP)AAAを取得し、JHEP認証事業として認められました。
本制度は、生物多様性の保全や回復に資する取り組みを定量的に評価、認証するもので、(公財)日本生態系協会が開発・運営しています。
 これまで、漠然としたイメージで扱われがちだった生物多様性の価値を、客観的に数値化することで、真に効果的な取り組みの普及を後押ししています。

・評価認証機関≫公益財団法人日本生態系協会
・認証番号≫1-4403001-2001/00
・評価ランク≫AAA
・認定日≫2020年11月30日
・有効期限≫2025年11月29日

photo:2021年5月撮影

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ランドスケープデザイナー 田瀬理夫による讃岐緑想のランドスケープデザイン



讃岐緑想のランドスケープデザインは、世界で活躍されている田瀬理夫さんがデザインしてくださいました。
土塁(どるい)は、懐かしい草土手とし、いずれ父母ヶ浜の海浜植物が混入してより海辺らしくなっていくように──。
石壁の石は、もともと現場で集積されていた地元の割石などを使用しています。「出来るだけ、そこのにあるもので、コンクリートの使用を減らす」という想いが込められています。
完成から約2年。幼かった樹木や草本も元気に育ち、少しずつ小さな生態系が形成されています。

photo:2019年5月撮影



photo:堀部氏と田瀬氏を含めた関係者で、打ち合わせをしている様子(2019年5月撮影)



ランドスケープデザイナー 田瀬理夫 Tase Michio

1949年東京都生まれ。千葉大学園芸学部造園学科卒業、造園施工会社勤務を経て、1977年ワークショップ・プランタゴ開設。大規模施設の緑化プロジェクトから個人宅の作庭まで数多くの造園設計を手がけ、景観と生活環境の再生に尽くす。
2008年~2018年農業生産法人ノース代表を兼務。千葉大学と東京藝術大学の非常勤講師を長く勤め、現在は立命館大学客員教授。
【主な仕事】 コートハウス国立、アクロス福岡、アクアマリンふくしま、BIOSの丘、地球のたまご、日産先進技術開発センター、5x緑、味の素スタジアム西競技場、徳島県神山町大埜地集合住宅など。
【主な受賞歴】 日本造園学会賞[らんの里堂ヶ島](‘95)/エコビルド大賞[アクロス福岡](’02)/環境情報科学センター賞[都市のエコロジー復活を目指す環境建築](‘02)/SB05 サスティナブル建築賞[地球のたまご](’05)/日経BP技術賞、グッドデザイン賞など。

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〔森里海から No.58〕築地松(ついじまつ)




文・写真 菅 徹夫

 もうずいぶん前のことになりますが、2006年11月に出雲市を訪れる機会がありました。そこでこの地域独特のめずらしい風景に出合いました。築地松と呼ばれる屋敷林に囲まれた住居が水田の中に点在し、散居集落を形成していたのです。
 「築地松」とは、出雲地方の屋敷の主に北側と西側に植えられ、一定の高さに整然と刈り込まれたクロマツの屋敷林のこと。出雲独特の柔らかい土地を安定させると共に強い季節風を防ぎます。(【神々のふるさと山陰】WEBページより)
 築地松のある集落は、富山県砺波平野の「カイニョ」、岩手県胆沢町の「エグネ」と並んで日本三大散居村と呼ばれているようです。いずれも水田地帯の中に点在する屋敷林を持った住居群が独特で美しい風景をつくりだしています。出雲地方の屋敷林の始まりは300年ほど前と言われていて、木の種類がクロマツに統一され始めたのは江戸末期から明治にかけてのようです。それ以前はスダジイやタブノキなど照葉樹が主体の屋敷林だったとされています。

photo:築地松の遠景



photo右.築地松(外側と内側の様子)
photo真ん中.築地松(屋敷側は枝がきれいに落とされる)
photo左.築地松(屋敷側より)

 ヴァナキュラー建築(土着建築)の名著『建築家なしの建築(バーナード・ルドフスキー著/1964年初版)』のなかでは、築地松の美しい集落写真が紹介されています。そこには以下のような説明がなされています。
 「部分的な囲いは西日本の島根県の防風林である。冬風と吹雪に対する堅固な緩衝装置を得るために、この地の農民は松の木を巧みに育てて50フィートの高さのL字型の生け垣をつくりあげる。日本のある地方では、これと同じくらいの高さのワラの仕切りが、冬の間、家を囲んで、あるいは時として村全体を囲んでつくられる。」
 日本の地方都市から、その地域特有の街の風景が失われて久しいように思います。しかし、築地松ほど特徴的でなくとも、このような風景がありふれた日常の中に埋もれている地域はまだまだ各地に残っているように思います。こうした風景は私たちに、地域性の大切さを語りかけてきます。
 それらを掘り起こし、建築や街の中に少しずつでも地域性を取り戻していくことはこれからの時代、とても大切な事のように思います。そんな生物多様性ならぬ風景の多様性が日本中に増えてくれば、こんなに楽しいことはありません。そういうこともこれからの時代に求められる「本当の豊かさ」の一つの重要な指標だと思うのです…。



photo:「建築家なしの建築」で大きく紹介された当時の写真



photo:築地松物語(出雲市役所提供)

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〔大工のはなし〕第19回『ガンタ(木回し)』



これは「ガンタ」という丸太に刃を引っかけて、テコの原理で木を回す道具です。
今回は、あるお寺の改修時に使用する桔木丸太の加工時に使用しました。
太くて重量のある丸太は、一人では、簡単には動かせません。そこで用いられるのが、このガンタ。これを使えば、一人でも木を回して移動することも可能になります。
写真のガンタは、約70年前のもの。手にしっくり馴染む柄の部分は、堅くて丈夫な樫の木でつくられています。歴史あるこのガンタは、これからも重宝されます。

ガンタ(木回し)の作業風景動画


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〔information〕・菅組書籍 発売のご案内 ・仁尾一齣



この度、菅組書籍「I think」を発売いたしました。
菅組の設計施工のお宅訪問の様子や、建築家・堀部安嗣氏と弊社の菅社長との対談、さまざまな取り組みのご紹介などをまとめた本になります。
お近くの書店もしくはネットでお求めいただけます。どうぞ、お手にとって、ご覧ください。

発行日:2021年4月
価 格:1,500円(税込)
発行元:株式会社 菅組 
発売元:株式会社 tao.



・仁尾一齣 「讃岐緑想付近の真上から見た景色」


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