ある日のすがぐみ

宮大工の仕事 ~手刻み懸魚~ Work of a Palace Carpenter

この懸魚は、あるお寺の屋根の改修のためにつくられました。

 懸魚とは、屋根の破風板の下に取り付けられる装飾用の材料で、棟木や母屋桁、軒桁の木口を隠す役割を果たします。

 懸魚の中央には「六葉」と呼ばれる6枚の葉で構成される六角形の飾りが付き、六葉の中心から出る棒を「樽の口」、その根本にあるのを「菊座」と呼びます。

 木の種類は、堅く木目の美しい楠です。溝の深さや角度などは、長年培ってきた感覚らしいです。まさしく匠の技術です。