トントン葺き
| 現場
善通寺市のお寺の現場で「トントン葺き」の工事がされていました。
トントン葺きは、正式には「枌葺き(そぎぶき)」(徳島弁では"そげぶき"というらしい)と呼ばれるようで、約1mmの厚みの薄い杉板を重ねて葺いていきます。雨水の侵入を防ぐ防水シートの役割をします。この上に日本瓦を葺いていくのです。
※ShopMasterのひとりごと参照
◆施工前
◆施工後
◆約1mmの厚みの薄い杉板を丁寧に並べていきます。木の木目も合わせています。この杉板は、乾燥しているとすぐに割れてしまうので、じんわり湿らせています。
そうすることでしなやかになり、綺麗な仕上がりになるそうです。
この杉板をつくられている会社が近県では愛媛県に1社しか残っていないのだとか。
後継者がいない、トントン葺きの施工が減っているなどが要因で、つくる業者が激減したそうです。伝統的な工法が失われる危機ですね。
◆上の方は、屋根専用の椅子に座って作業します。
滑り落ちないのは、ちゃんと椅子の裏に仕掛けがあるからです。
今ではタッカー止めですが、その昔は竹釘をトンカチで2回「トントン」と打ったそうで、それで「トントン葺き」と呼ばれるようになったらしいです。
職人さんは徳島県の鴨島町から来てくださっています。この規模をお一人で葺いていきます。
徳島県では昔、犬小屋もトントン葺きをしていたほど、当たり前にされていたと言います。
昔の人は、トントン葺きをするということに誇りをもっていたとお話ししてくださいました。
これからも、この伝統工法が受け継がれていくことを願います。
by_USA