ある日のすがぐみ

名のあるお屋敷の「おくどさん」を改修


愛媛県に佇む名のあるお屋敷。
ここは昔、お殿様や大名たちも訪れたという有名な場所です。





奥へ奥へとつながる瓦屋根が美しい。



その敷地の一角にある「おくどさん」。

「おくどさん」とは、竈(かまど・くど)のある場所のことのことをそう呼んでいます。
「おくどさん」の語源は諸説あるのですが、この言葉は京都の方言だと言われています。京都では食べ物をはじめ、色々なものによく「お」や「さん」をつけます。
そのため「竈(くど)」に「お」と「さん」をつけて「おくどさん」となったそうです。関西の方言に似ているところがあると言われる香川や愛媛でも馴染みのある言葉です。





話しが少し逸れましたが、その「おくどさん」の屋根が、劣化のため年々下がってきていました。
このままだと崩壊の恐れもあるため、耐震補強もかねて改修することになりました。

屋根を全体的に約10cmほどジャッキで上げ、補強をほどこしました。
内装の仕上げも一部改装しますが、趣のある土壁なども残します。



文化的価値の高い建物や物が現存しているお屋敷。
建物の守り主として管理されている女性の方のおかげで、とても綺麗な状態で保たれていました。



残すべき建物がまたひとつ生まれ変わる。
次世代へ引き継げることは、私たち建築に携わるものとして嬉しい限りです。

by_USA