ある日のすがぐみ

手刻みの現場の構造見学会


2019年7月上旬。
高松市の改修工事の現場で構造見学会を実施しました。
この現場の木材は、林業家の住まい手さんの山の木を自ら伐採し、その木を自然乾燥して、菅組の大工が手刻みで加工したものです。
この日は、香川県のみどり整備課の方や、建築に関わる関係者の方々、いつも大黒柱伐採ツアーでお世話になっている専業林業家の豊田さんなど、20名ほどの方に見学していただきました。




まずは、住まい手さんが制作した工程をまとめた動画を視聴しました。とても分かりやすくまとめられた動画でした。そしてその後に現場を見学しました。
菅組の関係者(社長、大工の棟梁、現場監督、設計、営業)それぞれの立場からこのお宅の工事のことをお話させていただきました。

立派な大黒柱には、棟梁の粋なはからいで背割りした部分の一部に千切り(ちぎり)を施しています。
住まい手さんにとっても喜んでいただきました。



車知栓(しゃちせん)という手刻みにおける代表的な継ぎ手の一つを取り入れたり、軒を深くするために、出桁(だしげた)づくりにしたりと、日本の伝統的な工法を取り入れています。








改修現場のため、既存の建物との兼ね合いが難しい部分もあります。
その場で考え対応できる技と知識のある棟梁を筆頭に、現場監督や設計、営業と密な打ち合わせを重ねて様々な問題を解決しながら、今日にいたりました。

このお宅は今年の秋に完成予定です。
住まい手さんの思いの詰まったお宅が完成する日が待ち遠しいです。

by_USA