SDGs レポート

生物多様性を育む、地域密着型建築の新たなかたちを目指して ~30by30~


菅組は、「30by30アライアンス(※)」に参加しています。

30by30とは、2022年12月に採択された「昆明・モントリオール生物多様性枠組」2030年グローバルターゲットの1つで、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全することです。

※「30by30アライアンス」とは、30by30目標達成に向け、今後日本として現状の保護地域(陸域約20%、海域約13%)の拡充とともに、民間等によって保全されてきたエリアをOECMとして認定する取り組みを進めるために発足したアライアンス(同盟・組合の意)です。2024年12月時点で経団連や日本自然保護協会、日本野鳥の会、日本生態系協会などのコアメンバー23団体と461の企業、74の自治体、264のNPO等および個人が参加しています。

菅組は、2022年4月8日に環境省が中心となり発足した「生物多様性のための30by30アライアンス」に同年12月から参加しており、参加団体一覧の中でも活動内容が掲載されております。

菅組 活動掲載ページ>>
https://policies.env.go.jp/nature/biodiversity/30by30alliance/documents/pdf/30by303361212suga-acActivities.pdf

当社はコーポレートメッセージ「木と、ともに。」のもと、2002年から「近くの山の木で家をつくる運動」という全国的な運動に賛同し、「讃岐の舎づくり倶楽部」という小さな地域グループを立ち上げ、大黒柱伐採ツアーを開始。2009年から創業100周年記念事業「鎮守の森project」、2012年から「菅組 感謝の森」を継続的に実施し、地域、人とともに生物多様性の保全に向けた取り組みを行ってきました。近年では、宿泊施設「讃岐緑想」の植栽で「ハビタット評価認証(JHEP)」AAAを取得したり、ニッポンバラタナゴやカワバタモロコ等の絶滅危惧種の保護地を整備する等、私たちが建築業を担う責務として可能な限り生物多様性を育む活動は何か、常に考え実行しています。

<活動テーマ>

生物多様性を育む、地域密着型建築の新たなかたちを目指して

<活動の場所>

自社敷地(事務所、工場等)、お取引先敷地、住宅地、郊外、里山や国有林など

<活動目的>

自然環境を守り、生物多様性を育むことを目指し、従業員の環境意識を高めながら地域社会との交流を図る。

<活動内容>

①環境共生建築


菅組は、地域の生態系を守るため、環境負荷を抑えた建築・土木事業を推進します。国産材や県産材、フェアウッドの利用を進め、違法伐採木材の排除を徹底する木材デューデリジェンスにも取り組んでいます。また、古材を再活用するための貯蔵庫も整備し、責任ある資材選びと持続可能な建築を実現しています。

 → 私たちはフェアウッド調達を推進しています。(SDGsレポート)

②近くの山の木で家をつくる運動「⼤⿊柱伐採ツアー」

毎年秋、香川県産ひのきを使った家づくりをテーマに「大黒柱伐採ツアー」を開催しています。 家を建てるご家族や見学者が参加し、自らの家の大黒柱となる樹齢80年ほどの桧の伐採を見学。美しい森で育った木に触れることで、家づくりと地域の自然、関わる林業家や設計士とのつながりを実感できる貴重な機会となっています。

 → 森に入り、木々に触れる「大黒柱伐採ツアー」(菅組HP 自然と寄り添う)

③社会貢献の森「菅組感謝の森」

綾川町の樫原国有林で間伐を毎年実施。社員のボランティアメンバーが主体となり、林業家の指導を受けながら活動。社員の環境意識を高めながら、健全な機能を持つ持続可能な森づくりを進めています。

 → 社会貢献の森「菅組 感謝の森」(菅組HP 自然と寄り添う)

④ふるさとの木を植える「鎮守の森プロジェクト」

ふるさとの木である潜在自然植生の樹種(シイ、タブ、カシ等)を植えることで、身近な森を作る活動を展開。100周年記念事業として本社敷地等に5,300本を植樹したほか、家を建てた施主に3本の苗木を贈る「三本木鎮守」を実施。これまでに12,304本の苗木を植えてきました。小さなビオトープを広げることで、地域全体の生態系ネットワーク形成を目指しています。

 → <鎮守の森Project> 木を植えよう。未来のために(菅組HP 自然と寄り添う)

⑤生物多様性を育むビオガーデン

宿泊施設「讃岐緑想」の庭に、地域在来種を中心とした約720本の植栽を実施。この取り組みは2020年にJHEP認証(AAAランク)を取得し、地域生態系を豊かにする一助となっております。

 → 生物多様性を育むビオガーデン(菅組HP 自然と寄り添う)

⑥絶滅危惧種保護池

ニッポンバラタナゴやカワバタモロコは日本固有の淡水魚で、香川県内では小規模のため池を生息地としていますが、水質悪化や外来種のアメリカザリガニやブルーギルなどの捕食圧により危機的状況にあります。絶滅の恐れがあるニッポンバラタナゴやカワバタモロコの再生産サイクルを確立するために香川淡水魚研究会と協同で保護池を整備し、定期調査に協力しています。

 → カワバタモロコ・ニッポンバラタナゴ保護池(ShopMasterのひとりごと)

<PRしたいポイント>

1.地域とつながる持続可能な建築
地域材の活用や在来種を守る活動など、地域資源を大切にした持続可能な建築を推進します。

2.自然を守り育てる取り組み
「大黒柱伐採ツアー」や「鎮守の森プロジェクト」など、森と自然との共生を体験できるユニークな活動を展開しています。

3.社員と地域が一体となる活動
社員によるボランティア活動「菅組感謝の森」や、環境意識を高める取り組みを通じ、企業と地域が一体となって自然を守る活動を行っています。

<活動効果、今後の展開 等>

  • 地域のステークホルダーやサプライチェーンとの対話・連携を大切に、建築業にできる生態系ネットワークの強化に貢献します。
  • 生物多様性の保全と持続可能な建築事業の実効性を実証し、さらなる進化を目指します。
■関連サイト

「30by30」公式サイト 30by30/環境省

■関連ページ

・菅組CSRページ 「自然と寄り添う」