ある日のすがぐみ

屋根コン2021授賞式。小さな家と小さな物語

菅組で2010年に設計・施工した「家族サイズの小さな家」が「屋根のある建築作品コンテスト2021」ロングライフデザイン部門にて優秀賞を受賞いたしました。(受賞の詳細はこちら

授賞式が12月4日東京で行われ、会場には緊張感もありながらとても華やかかつ和やかな雰囲気で、祝福ムードに包まれていました。受賞した設計の山地はオンラインで参加しましたが、スクリーン越しにこちらに盾を渡してくださいました。また、実物は後日担当の方が直接お持ちくださいました。



後日、受賞の報告とお礼に、住まい手さんを訪れました。
コチラの住まい手さんは雑貨屋さんをされており、1階がお店、2階が住居部分になっています。

瀬戸内海を見下ろす小高い山の上の広い敷地でしたが、当初から住まい手さんの思いで頑張りすぎない、この里山に寄り添いながらゆっくり時間をかけて創っていくという、10年計画がありました。今では広い庭の植物も大きなビオトープも家の壁も、ずっとここにあったかのように深く根を伸ばし、豊かで味わい深いお住まいになっていました。



2010年9月。お引き渡しから3か月のある日。



お家の見学会の時に作成したチラシのコピー。


2021年12月、あれから11年経ちました。

受賞したのは「ロングライフデザイン賞」。お引き渡しから10年以上経過している作品が対象です。
時間が止まったような景色の中にあるお店ですが、写真で見ると時の流れを感じます。




壁…いい味に育っています。

ビオトープも健やかに。この日は暖かかったので、メダカが元気に泳いでいました。


盾は住まい手さんにプレゼント…


設計の山地はこう言いました。「時間がたった家に会いに行くのは怖さもある」と。
自分が設計したからこその思いだと思います。でも、この月日の中でこのお家が厳しい自然にさらされながら、住まい手さんがここで暮らした証でもある家。今回頂いた賞は、この設計が間違いではなかったことが証明されたのだと思います。住まい手さんには感謝の気持ちでいっぱいです。

家を建てること、住まうこと、暮らすこと。
住まい手さんや建てる人、ここに関わる人や土地、自然すべての小さな物語が
このお家には織り重なり合っているなぁと感じた一日でした。


お家も庭も人も、11年のお付き合い…


おまけ:シャイな山地はカメラを見ません。


(左)10年前の担当営業と設計山地
(右)左右同一人物です…貫禄が出ました(笑)